日本のアニメーション界で特異な地位を築いている鬼才、押井守監督。その代表作の一つである『天使のたまご』が、2025年11月26日に驚くべき新しいスタイルのヴィジュアルブックとして発売されます。この作品は1985年に公開され、その独特の美術と深いテーマ性で熱狂的なファンを生み出しました。
記念すべき40周年を迎え、今回はこれまでにない形で作品の魅力を凝縮した「天使のたまご THE VISUAL COLLECTION」が登場します。このヴィジュアルブックは、4Kリマスター化されたアニメーションから厳選された名場面100カットが美麗な画質で収録され、さらに監督自身による新たなエピグラム(短詩)が併載されるという画期的な内容となっています。これにより、視覚だけでなく文学的な楽しみも提供されるのです。
本書は日英バイリンガルで展開され、読み手が多角的に作品を理解できるよう工夫されています。1ページにつき1カットというレイアウトには、監督の意図を最大限に反映するためのこだわりが隠されています。一般的な刊行物と異なり、横位置のレイアウトと横綴じによる美しい製本は、画面のフレームを極限まで引き立てます。これにより、視覚的な体験を楽しむことができるのです。
冊子の末尾には、各カットに関する押井監督への詳細インタビューが収録されており、当時の制作背景や意図を垣間見ることができます。『天使のたまご』はアートアニメとしての美しさが際立つ一方、非常に難解な作品とされてきましたが、このヴィジュアルブックを通じて、作者の深い思いとイマジネーションを触れることができる初の書籍といえるでしょう。
作品内に埋め込まれた数々のメタファーや象徴が提示される中で、読者はその真意を知る手助けを得ることができるかもしれません。また、読者を新たな幻惑へと誘うかもしれません。これぞまさに、押井守ファンやアニメ・映像ファンにとって必見の一冊です。
このヴィジュアルブックは通常版の他に、押井守監督の直筆サインが入った限定版も発売予定。特装版はハードカバー上製本となっており、一般販売予定の通常版とは異なった仕様が魅力です。情報は随時更新されるため、日々の楽しみにぜひご注目ください。
さらに、この作品は第78回カンヌ国際映画祭のクラシック部門で選出された経緯があり、ワールドプレミア上映も行われました。11月の日本公開を前に、大きな話題を呼んでいます。憧れの監督が手掛けた名作がいかに新しい形で甦るのか、期待が高まります。