冬の太刀魚を学ぶ環境学習イベント
2025年2月9日、千葉県市川市で行われた「日本さばける塾 in いちかわ」では、親子が参加し、魚をさばくことを通じて食文化や海洋環境を学ぶ貴重な機会が提供されました。
イベントの概要
市川漁港や市川公民館を会場に、一般社団法人海のごちそう推進機構と株式会社アノニギワヰが共催しました。このイベントは、海を介して人とつながる「海と日本プロジェクト」の一環でもあります。参加したのは、小学4年生から中学生の親子10組20名で、参加料は一組2,000円(税込)でした。
今回は、「冬の太刀魚」をテーマに、海洋環境についてのフィールドワークを行い、その後の料理体験では地元の伝統料理についても学びました。
船で東京湾の探検
参加者たちは、専門家の指導のもと東京湾に船で飛び出しました。自然環境や生物についての話を聞きながら、実際に干潟などの現場を訪問。三番瀬フォーラムの安達宏之さんからは、東京湾の生態系や環境の変化について学び、干潟保全の重要性について考えました。
参加者からは、「こんなに冒険的な体験ができるとは思わなかった」との声が上がり、寒い中でも楽しい思い出ができたようです。
漁師と料理人のコラボ
船での探検の後は、市川の元漁師・元料理人の澤田洋一さんをゲストに招き、トークセッションが行われました。澤田さんは、東京湾でのタチウオ漁の現状や千葉県の伝統料理についての深い知識を持っており、参加者たちにリアルな体験を提供しました。
特に、タチウオのさばき方を実演する際には、魚を使った料理の楽しさだけでなく、魚の扱いにおける工夫も伝えました。参加者たちは緊張しながらも、自らの手でタチウオをさばく体験に挑戦しました。
さばいた魚で料理
その後、参加者たちは自分たちでさばいたタチウオを使用して、かば焼きやなめろう作りに挑戦。特に「なめろう」では、子どもたちが材料や調理法を考え、自身のアレンジを加えて料理を完成させました。完成した料理に感謝の意を表して実食し、参加者の中には「他の魚もさばいてみたい」という意欲を示す子どももいました。
未来の海を考える
イベントの締めくくりには、株式会社アノニギワヰの豊島翔さんから「東京湾アンカバードアクト」プロジェクトについての授業が行われ、東京湾の生物の多様性や課題について学びました。参加者たちは未来の海について考え、「自分たちが関わる海」への意識が高まったと言います。
最後に、参加者からの感想も共有され、身近な海や魚の存在に対する関心が芽生えたことを喜び合う素晴らしいイベントとなりました。このようなセッションを通じて、食文化と海洋環境に対する理解がより深まり、次世代に豊かな海を引き継ぐことができるでしょう。