東京演劇アンサンブル創立70年記念公演Ⅱ『ヤマモトさんはまだいる』
東京演劇アンサンブルが創立70周年を迎えるにあたり、ドイツの名劇作家デーア・ローアーによる新作『ヤマモトさんはまだいる』が2024年9月12日から16日まで東京都豊島区のあうるすぽっとで上演されます。この公演は、スイス・チューリッヒ劇場と同時に行われる世界ダブル初演となる、まさに特別なイベントです。
公演の概要とキャスト
公演は、年配の女性ミセス・ヤマモトと彼女と同じアパートに住むカップルの友情を描いています。物語は、ミセス・ヤマモトが病院に運ばれ、その後亡くなるという悲しい出来事を中心に繰り広げられます。しかし、この作品はただの悲劇ではなく、現代社会の孤独や変化にどう向き合うかを問う深遠な内容を持っています。
キャストには、志賀澤子、永野愛理、雨宮大夢、青木鉄仁(劇団青年座)など、豪華な面々が揃いました。また、スタッフ陣には翻訳・ドラマトゥルクの三輪玲子や、演出の公家義徳、音楽の池辺晋一郎など、各界での実力派が集結しています。
アートと社会に向き合う演劇
演劇という表現方法を通じて、私たちは人間の変化や社会をどのように捉えているのかを再考する機会が得られるでしょう。デーア・ローアーの作品は、厳しさの中にも優しさが感じられ、その視点が独特なものです。作品を通じて、私たち自身の生活や、これからどのように共生していくかを問いかけられることになります。
公演のチケットは既にカンフェティにて販売されており、一般・U30・Low Price Dayといった異なる料金設定が用意されています。年代を問わず、多くの人に新たな演劇体験を提供することを目指しています。
東京演劇アンサンブルとは
1954年に設立された東京演劇アンサンブルは、戦後日本の新劇活動において重要な役割を果たしてきました。「演劇行為の中に人間の変化の契機をつくる」という理念を持ち、約50名のメンバーが年間250~300本の公演を行っています。
現在の代表は志賀澤子が務め、国内外問わず様々な場所で上演を果たしています。また、学校演劇への協力にも積極的で、未来の世代にも演劇の魅力を伝えています。
まとめ
東京演劇アンサンブルの70年は、演劇の力を信じ、人間同士のつながりを大切にする65を持った集団の歩みでした。この記念公演は、過去と未来をつなぐ重要な一歩となるでしょう。新作『ヤマモトさんはまだいる』を通じて、私たちがどのように生き、共に社会を形成していくのかを見つめ直す機会となることを期待しています。ぜひ、あうるすぽっとでこの貴重な作品に触れてみてください。