東急リゾーツ&ステイが特定技能外国人材を採用
日本の観光業界は、コロナ禍以降の回復に伴い、その需要が再び高まっています。しかし、特にリゾート地ではサービス要員の不足が深刻な問題として浮上しています。そこで、東急リゾーツ&ステイ株式会社(以下、東急リゾーツ)は、特定技能外国人材を新たに採用することを決定し、株式会社ONODERA USER RUN(以下、OUR)により52名の特定技能外国人材を迎え入れることになりました。
東急リゾーツの背景と目的
東急リゾーツは、全国に104の宿泊施設を持ち、年間約700万人以上の顧客を迎えています。中でも「東急ステイ」と「東急ハーヴェストクラブ」は多くのリピーターに支持される人気のある宿泊施設です。しかし、それに伴い調理人材などのサービス業においては慢性的な人手不足が懸念されていました。
このような状況を打破するため、東急リゾーツはOURが運営する教育機関で修了した特定技能外国人材を大規模に採用することに踏み切りました。これにより、国内外の人材を活かし、より安定した運営を目指す狙いがあります。
特定技能外国人材の選考過程
特定技能外国人材の採用プロセスには、OURが管理しているフィリピンの教育機関であるOURフィリピンアカデミーでの実地視察が含まれています。視察の結果、東急リゾーツは「明るく礼儀正しい学生が多く、教育の質が非常に高い」と評価しました。学生たちの日本で働く意欲も高く、実際に面接も行われました。
適性検査を経て52名が内定を受け、7月30日に入国した30名は、8月5日に研修を開始しました。今後は、東急ハーヴェストクラブ斑尾での約2ヶ月間の現場研修を経て各施設での勤務が始まります。残りの22名は2025年5月に入国し、業務に従事する予定です。
多様性のある組織の実現に向けて
東急リゾーツは、2033年までに正社員の30%を海外人材で構成することを目指しています。そのため、国籍や性別に関係なく多様な価値観を尊重し、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。今回採用された52名の外国人材には、単に業務を支えるだけではなく、組織の多様性を実現する貴重な役割が期待されています。
OURの教育方針
OURは、フィリピン、ミャンマー、インドネシア、ラオスの4ヵ国で自社の教育機関を運営しています。日本語や専門知識、生活支援まで無償で提供し、優秀な人材の育成に努めています。2018年から始まったこのプログラムでは、既に6,434人の若者に教育を施し、そのうち4,705人が内定、3,634人が日本で就業しています。特筆すべきは、OURの教育を受けた人材の離職率が4.4%と非常に低いことです。
結論
今後も、OURは特定技能外国人材の雇用を拡大し、雇用者と外国人材の双方にとって有益なスキームを提供していく計画です。東急リゾーツ&ステイの新たな挑戦は、観光業界全体に良い影響を及ぼすと期待されており、今後の成果に注目が集まります。