在日中国人のインバウンド消費とSNSの影響
日本を訪れる外国人観光客の中でも、中国人観光客の存在は特に大きいです。2024年9月のデータによれば、訪日外国人の数は前年比31.5%増、安定した増加傾向にあります。中国からの観光客数も高く、春節を控える中でさらなる増加が期待されています。このような状況の中、在日中国人のSNS利用がインバウンド消費に与える影響が注目されています。
アンケート調査の実施
企業のマーケティング支援を行うアライドアーキテクツ株式会社が実施した調査によると、在日中国人は友人や家族からの情報提供の重要な担い手となっていることがわかりました。調査対象は「BoJapan」というコミュニティのメンバー500人で、彼らのSNS利用実態やインバウンド観光客への影響を測定しました。
在日中国人の影響力
調査参加者全員が、日本旅行に関する質問や相談を受けた経験があると答え、訪日を希望する中国人にとって、在日中国人が重要な情報提供者であることが明らかになりました。また、約85%の回答者が直近1年間でアテンド経験があるとし、アテンド先には「百貨店」「ドラッグストア」などのモノ消費が多く含まれています。
SNSの利用実態
アテンド先を選ぶ際、約85%の在日中国人が参考にするのは「RED」などの中国国内で利用されているSNSの情報です。これは、TVや雑誌よりもSNSやネット上の口コミの方が重視されていることを示しています。また、商品の購入や店舗訪問を検討する際も、約90%がREDを参照していることがわかりました。これにより、REDが購買行動前の情報源として非常に重要であることが伺えます。
KOLとKOCの影響
商品の購入や店舗訪問のきっかけとして、RED内の情報を調査したところ、KOC(一般ユーザー)がKOL(有名インフルエンサー)よりも影響力を持っていることも明らかになりました。この情報は、SNSマーケティング戦略を設計する上で非常に重要なデータとなるでしょう。特に、一般ユーザーがフォロワーに与える影響は大きく、自社公式アカウントの活用も重要です。
結論
今回の調査は、在日中国人のSNS利用実態やインバウンド観光客への影響を具体的に示しました。彼らは情報の現実的なおすすめ者であり、REDの活用はインバウンド消費を促進するための強力な手段であるといえます。
これからのインバウンド施策には、SNSやオープンプラットフォームでのプロモーションの他に、友人や知人とのクローズドなコミュニケーションが重要であることも忘れてはなりません。情報を得た上でマーケティング戦略を設計することで、企業は効果的な施策を打つことができるでしょう。