タカラベルモントによる毛髪研究、神戸で発表多数

タカラベルモントの毛髪研究の成果

2024年11月、神戸で開催された「第2回日本化粧品技術者会学術大会」において、タカラベルモント株式会社は自身の化粧品研究開発部から最多3題の研究成果を発表しました。これにより、同社は過去11年間で毛髪に関する同一企業からの同時発表数が最多を達成しました。この取り組みは、毛髪科学の分野において重要な進展を示しています。

発表された研究内容

1. 免疫組織科学と類似度比較による毛髪中のケラチンプロファイリング

この研究では、クセ毛と直毛の違いの根本的な理由を探るため、毛髪の重要な成分であるケラチンの分布について調査しました。自社開発の毛髪イメージング技術を使用し、12種類のケラチンの分布パターンを明らかにし、特にクセ毛において特定のケラチンが偏って存在していることを発見しました。

2. 毛髪における超硫黄分子の局在とその影響

新たに発見された超硫黄分子の存在について詳細に調査しました。毛髪内での超硫黄分子の分布を明らかにすることで、髪質向上の新しい可能性を示しました。コルテックス上での超硫黄分子の局在を観察し、メデュラの異なる髪質での分布も明らかにしました。

3. ダメージ毛の内部補修に関する研究

多様化するヘアスタイルに伴う髪のダメージに応じた、内部ケアの方法を模索しました。特定の染色パターン変化に基づく反応性の高いケア成分を発見し、毛髪内部のダメージを効果的に補修できる可能性を提案しました。

研究の意義と今後の展望

この研究はいずれも、髪質改善に向けた新たな技術や製品開発への足掛かりとなります。タカラベルモントの担当者は、これらの研究成果を通じて、クセ毛やダメージに悩む人々へのアプローチを模索し続ける意向を示しています。また、ケラチン以外の成分に対する同様の解析技術の展開も予定されており、今後の研究が広がりを見せることが期待されます。

タカラベルモントの100周年とその未来

タカラベルモントは2021年に創業100周年を迎え、「美しい人生を、かなえよう。」というパーパスを掲げて新たな経営を進めています。持続可能な社会の実現に向けて、専門家との連携を強化し、さらなる美と健康の追求を目指す努力を続けています。今後の研究成果が、より良い化粧品の開発へと繋がることが期待されます。