なぜ運動できないのか?
近年、健康への関心が高まっているというデータが多く出ていますが、実際に運動を実施することに関しては多くの人がジレンマを抱えています。特に30代と50代の世代において、この傾向が顕著に見受けられます。そこで、笹川スポーツ財団が実施した「健康関心度とスポーツライフに関する調査Ⅱ」の結果を基に、運動をしたくてもできない理由について考察します。
調査の概要
2024年8月1日から6日にかけて、18歳以上の男女5,272名を対象とする調査を実施しました。この調査では、健康関心度を3つの群に分け、それぞれの運動実施状況や阻害要因を分析しました。特に、健康無関心層に対するアプローチが重要な課題とされています。調査結果によると、「低関心」群は7.0%であり、思ったよりも少ないと言えますが、興味深いのは「高関心」群に属する人々の中でも、3割弱が運動を実施していないことです。
運動阻害要因の分析
調査結果の中でも、特に目立ったのが運動実施の阻害要因です。「無精」「疲れる」「動機がない」「時間がない」という理由が上位に挙げられています。特に時間がないことは、働く世代や子育て中の人々にとっての大きな課題です。
運動に対する消極的な印象は、年代によっても異なります。30代はやる気があっても時間が確保できない状況が多いのに対し、50代になると運動に対する動機が湧いてこない傾向が見受けられます。つまり、30代は時間に追われている状態であり、50代は体力の低下や習慣の変化によって運動への意欲が下がると考えられます。
健康への意識
調査では、「健康のためには時間をかけるべきだ」と感じている人が多い一方で、実行に移すことができていない現状も浮き彫りになりました。特に、健康を維持するために運動が不可欠であるとの認識があっても、実際には行動に移せていないことが問題です。
要約すると、高関心者の3割弱が運動をしていないという結果は、運動に対するイメージと実行の間にギャップが存在していることを示唆しています。このギャップを解消するためには、各年代の特徴に合わせた動機付けやアプローチが必要です。
未来へのアプローチ
笹川スポーツ財団は、今後も定期的にこの種の調査を行い、運動の実施状況や健康への関心を把握していく方針です。また、特に30代と50代向けには、それぞれの年代特有の問題に対処するための施策を立案していく予定です。そこで、各年代のニーズに合った環境づくりや支援を行い、より多くの人々が運動を実現できるよう努めていきたいと考えています。
おわりに
運動したくてもできない、という現実には多くの背景がありますが、重要なのはそれに対する解決策を模索することです。私たちが運動を実現するためには、自分自身の環境を見直し、新たな挑戦を受け入れることが求められています。今後、自分のペースに合わせた運動を始めるチャンスを見つけてみてはいかがでしょうか。