日本発の国際医療NGOが国連賞を受賞
東京都台東区に本拠を置く特定非営利活動法人ジャパンハートは、国際連合が贈る「United Nations Inter-Agency Task Force on the Prevention and Control of Non-communicable Diseases Award 2024」を受賞しました。この賞は、非感染性疾患やメンタルヘルス、その他SDGsに対する貢献を表彰するもので、世界中のNGOや機関が対象です。特に、ジャパンハートはカンボジアにおける小児がん治療の無償提供や医療人材育成に注力しており、その活動が高く評価されました。
小児がん治療の重要性
日本では多くの無償治療を行っており、特に小児がんに関しては高所得国と中・低所得国との間で生存率に大きな格差が存在します。この問題解決を目的に、ジャパンハートはカンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」を中心に、外科手術を含めた治療を無償で行い、更には持続可能な医療体制の実現に向けた教育プログラムや医療者を目指す若者への奨学金制度の充実を図っています。
受賞の背景
今回の受賞は、ジャパンハートが2020年にも同様の賞を受けた際から続く活動の成果であり、特にカンボジアでの取り組み全般に対する評価と位置づけられています。事務局長の佐藤抄氏は、受賞を光栄に思うと共に、支援者や医療スタッフへの感謝の意を表し、この受賞が新たに建設中の「ジャパンハートアジア小児医療センター」への重要な一歩になると語っています。
新病院の設立予定
「ジャパンハートアジア小児医療センター」は、2025年10月にカンボジアで開院予定の200床規模の総合小児医療センターです。アジアの開発途上国と先進国との生存率格差を無くすことを目指し、特に小児がんの無償治療と現地医療人材の育成に注力していきます。新病院は、国際空港建設地に近いタクマウ市に建設され、既存の医療センターと比べてキャパシティ向上が図られる予定です。
医療支援の未来
開設に向けた総費用は10億円を超える見込みで、国内外からの寄付を通じてこのプロジェクトは進行中です。新病院は医療の質を向上させ、より多くの子どもたちの命を救う役割を果たす期待がかかっています。今後も、ジャパンハートは持続可能な医療支援を通して、医療の格差を縮小するための活動を続けていく方針です。