中古マンション価格動向 2025年第3四半期
不動産ビッグデータを活用した不動産マーケティングプラットフォームを提供する株式会社マーキュリーの最新報告によると、2025年第3四半期(7月〜9月)の東京23区の中古マンションの価格はついに2億円を超えました。この動向は、長年のデータ収集と分析に基づいており、高い注目が集まっています。
■全体概要
2025年第2四半期(4〜6月)と比較した場合、東京都内の中古マンション価格はマイナス6.7%からプラス8.1%の範囲で変動し、新築分譲時からの平均価格変動率はマイナス0.1%からプラス4.1ポイントの間で推移しました。特に注目すべきは、全6エリア中、4エリアで価格が上昇したことです。東京23区と大阪市は、新築分譲時の価格からの平均騰落率が特に高く、東京23区ではプラス114.7%、大阪市ではプラス79.6%の成長を示しています。前年同期比で見ると、東京23区の価格上昇が著しく、より具体的には、築5年以内の物件では平均価格が2億4万円を記録しました。
■地域別動向
東京23区
東京23区では、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区の主要エリアが特に高い価格帯で注目を集めています。港区と千代田区では平均価格がそれぞれ3億円、渋谷区では2億円を超えるなど、築浅物件が多く流通したことがこの傾向を後押ししています。港区の騰落率はプラス157.1%、千代田区は150.8%に達し、築年数別では千代田区の築11〜15年、中央区の築16〜20年がプラス200%を超えました。これにより、より新しい物件への需要が高まっていることが伺えます。
横浜市
横浜市でも価格が上昇し、西区と中区はそれぞれ1億円を超えました。特に西区は新築分譲時に比べプラス99.7%と高い騰落率を示しています。この傾向は、横浜駅周辺やみなとみらい地区のタワーマンションによるものと見られています。
川崎市
川崎市では、中原区が平均価格1億165万円で最も高く、他の区も健闘しています。中原区では新築分譲時より79.3%上昇しており、大規模マンションが市場をけん引しています。
大阪市
大阪市の北区と中央区で平均価格が1億円を超え、北区の騰落率は新築時から123.7%に達しました。この傾向はタワーマンションの需要の高まりによるものと考えられます。
京都市と名古屋市
京都市では東山区が1億3,454万円と高い値をつけ、名古屋市では中村区5,827万円が最も高い価格となり、全体的にはプラス10%を超えた区が限られるなど、名古屋は比較的安定した市場を維持しています。
■今後の展望
中古マンションの価格は全体として着実に上昇しているものの、上昇率は鈍化している面も見受けられます。ただし、情報が豊富で多様な物件が選ばれるなか、今後の市場動向には引き続き注目が必要です。特に、築年数が浅い高額物件の人気は続くことが予想されています。新たな投資先としての注目も集めており、今後の展開が楽しみです。