NTTが実現する新たな通信基盤
日本電信電話株式会社(NTT)が、400Gbps対応の新しいIOWNネットワークソリューションの提供を開始しました。このソリューションは、米国のIP Infusionと共同開発されたもので、高速かつ低消費電力のデータ通信を実現します。これにより、データセンタ間の接続がよりシンプルで経済的に行えるようになります。
1. 背景と社会的ニーズ
近年、生成AIや機械学習の普及が進む中、データセンタでのデータ量が急増しています。これに伴い、電力消費の増加も大きな課題となっています。特に、データ処理に必要な電力を抑えつつ、容量を拡張していくことが求められています。従来の通信ネットワークは、ハードウェアとソフトウェアが一体であるため、投資効率が低かったのですが、この新しいソリューションはそれを改善し、柔軟な構成が可能です。
2. IOWNネットワークソリューションの特徴
この新しいソリューションは、400Gbpsに対応した長距離伝送が可能なスイッチおよびルーターを組み込んでいます。特に注目すべきは、ハードウェアとソフトウェアを分離している点です。これにより、顧客はオープン仕様に準拠した多様なハードウェアと光トランシーバーを自由に組み合わせて使用することが可能です。
さらに、NTTとACCESS、IP Infusionの技術が結集したネットワークOSは、システムの保守と運用品質の向上に貢献し、使いやすさも確保しています。トランスポンダ機能が集約されることで、機器や保守にかかるコスト削減、電力効率の向上も期待されています。
3. 提供体制とサポート
本ソリューションは、NTT-ATやIP Infusionから提供され、構築から保守運用までのトータルサポートを24時間365日体制で行います。企業やデータセンタ事業者は、これによりスムーズな導入と運用が可能になるでしょう。
4. 市場における期待
この新しいソリューションは、データセンタ間の高速伝送のニーズに応えるものであるだけでなく、データセンタ内のバックエンドネットワークの高速化、コスト削減にも寄与することが期待されています。今後、さらに多くの顧客ニーズに応えるべく、これらの技術を組み合わせた新たなビジネス展開が見込まれています。
5. 各社の期待
NTTの川添副社長は、IOWNの推進にはグローバルパートナーシップが欠かせないと語っており、ソリューションが世界に向けて提供される嬉しさを表明しています。また、ACCESSの大石社長も、生成AIの時代における新たなビジネスチャンスを強調し、このソリューションを通じて新しいネット体験を提供していく考えを示しました。