配筋検査ARシステム『BAIASⓇ』が新機能を発表
エコモット株式会社、株式会社GRIFFY、村本建設株式会社による配筋検査ARシステム「BAIASⓇ」が2025年12月15日より新機能「円弧計測モード」を搭載することを発表しました。この新機能は、コンクリート製ケーソンや橋脚の施工時に、円弧状に配置された配筋の本数や間隔を正確に検査するためのものです。
これまで、円弧状配筋の検査にはテープロッドや巻尺、コンベックスを使う必要があり、測定時に目盛りが見づらく、値が不安定になるという問題がありました。また、複数の作業員が必要なため、作業の手間もかかっていました。この新たに追加された円弧計測モードにより、その手間を大幅に軽減できることが期待されます。
BAIASでは、これまで平面形状の配筋や、「鉄筋かご」の計測が可能でしたが、円弧状の鉄筋や大型構造物の内側からの計測には対応していませんでした。多くの要望を受けて、今回のバージョンアップによって、構造物の設計値を入力し、ARオブジェクトを現実の配筋に合わせることで、円弧上の鉄筋を正確に計測できるようになりました。
実施予定のプロジェクト
新機能を活用するプロジェクトとして、村本建設が施工する「大和御所道路曽我高架橋(PD6)下部工事」での配筋検査が予定されています。この工事は国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所の発注によるもので、円弧計測モードを使用することで、現場の作業効率が向上することが期待されています。
BAIASの概要と特徴
BAIASは、鉄筋コンクリート構造物の配筋検査を簡単に行うためのシステムで、iPad Proに搭載されたLiDARセンサーとカメラを活用し、鉄筋の本数、径、間隔を正確に計測することができます。国土交通省の実施要領にも対応しており、すでに250以上の現場で導入されています。
主な機能には、設計図との比較が可能な帳票出力、複雑な配筋に対応するダブル配筋計測、鉄筋かご計測、2点間計測機能など多岐にわたります。また、通信環境がない場所でも計測が完了できる点や、一度に広範囲の計測ができるのも特長です。
エコモット、GRIFFY、村本建設の役割
エコモットは2007年に設立され、IoT専業のソリューション提供を行ってきました。特に、センサーや通信デバイスの領域での専門性を生かし、現場での設置やカスタマイズに力を入れています。GRIFFYは建設業界のデジタルトランスフォーメーションを推進しており、現場向けのDXソリューションを提供しています。村本建設は110年以上の歴史を持ち、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。
新機能の「円弧計測モード」は、今後の現場での作業効率や精度向上に寄与し、配筋検査の現場を大きく変える可能性があります。エコモット、GRIFFY、村本建設の協力により、建設業界の変革が進んでいくことでしょう。