COSME Week 東京での中新潮流の講演
2026年1月16日、東京ビッグサイトで開催されたCOSME Weekでは、世界的市場調査会社ミンテルのChayapat Ratchatawipasanan(チャヤパット・ラッチャタウィパサナン)が「AIが美容・化粧品業界に与える影響」というテーマで講演を行いました。この講演では、AIが美容業界にもたらす影響や今後の戦略について、世界および日本市場の事例を基に解説しました。
AIがもたらす美容業界の変革
ミンテルによる最新の分析によると、美容業界におけるAIの活用は以前の「ARフィルター」などの体験型から、生産効率や成分の探索、診断技術などバックエンドの高度化に移行していると指摘されました。
世界のトレンド
- - AIによる新成分探索 (例:RevelaによるAI分子探索)
- - AI香りアドバイザー(例:Jo Malone LondonとGoogleの協業)
- - 生成AIによる処方開発の革新(例:L’OréalとNVIDIAの共同プロジェクト)
日本市場の特徴
講演者チャヤパットは、日本市場について「技術開発力は高いが、消費者の慎重さが顕著」と指摘しました。AI関連の特許出願数は世界でも上位にあり、技術的には優位性を持つ一方、消費者は新技術の導入に対して積極的ではないとのことです。
ミンテルの36市場に及ぶ調査によれば、中国では『新しい技術をいち早く試したい』という意向が72%に達するのに対し、日本はわずか18%であり、情報収集には積極的ながら新技術には慎重な姿勢が目立つことがわかります。
日本企業のAI活用戦略
チャヤパットは高い技術力を持つ日本企業に向け、AIを活用したグローバル展開の重要性を訴えました。特に、新技術を受け入れやすい東南アジア市場、特にタイへの進出は、有効な戦略とされています。海外の成功事例は、慎重な日本消費者に強いアピールとなり得るため、これを逆輸入することでブランド価値の向上も期待できます。
AI時代のビューティジャーニー
講演では、AIの進化に伴う消費者の意識の変化も示されました。ミンテルの調査によると、信頼やプライバシー、情報開示の要求が高まっています。企業は透明性と倫理的なAIの運用を実現し、消費者の理解を得ることが重要であると強調されました。
日本でのAI活用の機会
ミンテルの調査によれば、ファッション・ビューティ分野では67%がAI活用に「どちらとも言えない」と回答し、まだ価値を実感していないことを示しています。企業にとっては新たな成長機会であり、以下の分野が特に注目されています:
- - ハイパーパーソナライズに基づく肌・健康データの活用
- - 男性向けや多様な肌色向けの新ソリューション
- - AIによる香りの感情分析
- - AI×バイオテックによる成分開発
Mintel Spark: AIによる革新のサポート
ミンテルが提供するAIツール「Mintel Spark」は、新商品開発を支援するための強力なパートナーとして注目されています。膨大なデータをもとに新商品コンセプトを瞬時に生成し、実現可能なアイデア創出を管理します。
結び
本講演では、AIが美容業界にもたらす変革が単なる一過性のトレンドではなく、根本的な業務の変革をもたらすことが強調されました。企業は消費者がどのようにAIを受け入れるかを理解する必要があり、この理解が今後のイノベーションのカギとなります。ミンテルは、今後も世界の最新インサイトを提供し続け、企業の成長をサポートする所存です。