喫煙者と非喫煙者の共生社会を目指す大阪市の新たな取り組み

昨今、喫煙者と非喫煙者の共生を求める声が高まる中、大阪市では喫煙所の不足及びたばこのポイ捨て状況に関する調査が行われました。この調査は、株式会社スピンが全国飲食業生活衛生同業組合連合会と大阪府飲食業生活衛生同業組合の依頼を受けて実施されたものです。

1. 調査の背景

大阪市では、喫煙環境の改善に向けた法改正が進行中です。2025年1月27日には「大阪市路上喫煙の防止に関する条例」が改正され、路上喫煙禁止地区が拡大されます。また、2025年4月1日には大阪府受動喫煙防止条例が全面施行される予定です。これに伴い、市内では民間事業者による喫煙所の整備が進められています。

その一環として、本調査では大阪市内の喫煙所の充足度をインターネットを通じて調査し、また、たばこのポイ捨て状況についても街頭調査を実施しました。

2. 的確な情報収集

調査は2025年に行われ、対象は大阪市に在住または通勤する20歳以上の男女800名（喫煙者400名、非喫煙者400名）です。喫煙所に関するWEB調査では、約8割の回答者が「喫煙所が不足している」と感じ、さらにその増設に賛成の姿勢を示しました。

また、たばこのポイ捨て調査では、特に繁華街においてポイ捨ての頻度が高いことが報告されています。飲食店が密集するエリアでは、ポイ捨てが目立ち、喫煙所の数とポイ捨ての数には相関関係があるとの結果が出ました。具体的には、なんば駅周辺のポイ捨ては他の地域に比べて顕著であり、観光地としての人流が集中することが一因とされています。

3. 調査結果の概要

調査結果では、喫煙所の不足が広く共通する課題であることが明らかになりました。喫煙所の設置は、一律に行うのではなく、利用実態や行動パターンに基づく柔軟なアプローチが求められます。例えば、梅田駅周辺のように市街地の整備が進んでいる場所ではポイ捨ては少なく、一方で飲食店が密集する場所ではその傾向が強いです。