最近、株式会社インサイトテクノロジーが新しいセキュリティツール「Insight Inspector」をリリースしました。このツールは、企業が抱える不正アクセスやデータベース監査の効率化を図る目的で開発されたものです。同時に、NTTテクノクロスが提供する特権アクセス管理ツール「iDoperation」の取り扱いも開始し、より強力なセキュリティ対策を実現しています。
新たな監査ツール「Insight Inspector」
「Insight Inspector」は、データベース監査ソフト「Insight PISO」が収集したログと、「iDoperation」が管理する作業申請記録を自動的に突合させ、内部および外部からの不正アクセスを検知するためのログ検査ソフトウェアです。この連携により、企業は不正アクセスリスクを軽減し、監査の効率を大幅に向上させることができます。
企業では、ITインフラの急速なクラウド化により、データベース監査ログが分散して管理されている現状があります。そのため、ログの収集や分析が難しく、実際には取得したログが活用されていないケースも多く見受けられます。また、特権IDによる不正アクセスの検知体制にも問題があり、多くの組織が適切な管理を行えていないため、情報漏洩リスクが高まっています。これらの課題への対策が「Insight Inspector」によって可能になります。
特権アクセス管理ツール「iDoperation」の役割
「iDoperation」は、NTTテクノクロスが提供する特権アクセス管理ツールです。ユーザーが特権IDを「いつ」「誰が」「何に」使ったかを正確に管理します。高い市場シェアを誇るこのツールは、特権IDの活動を視覚化し、適切に管理・承認することで不正操作の防止を図ります。特権アクセスの管理においては、内部監査やセキュリティガイドラインへの準拠を支援する役割も果たしています。
企業にとっての価値
「Insight Inspector」と「iDoperation」の連携には、いくつかの具体的な利点があります。まず、情報漏洩リスクを未然に防止することができます。未申請のデータアクセスや異常なアクセスを自動的に点検することで、早期に問題を把握し、迅速に対処できます。
次に、自動化によって全件監査を効率化します。これまでは目視で確認していたプロセスが、両ツールの連携により自動化され、作業負担を軽減します。データアクセス状況が可視化されるため、監査作業が効率的に行えるようになります。
最後に、各種規制やガイドラインへの準拠を簡素化します。iDoperationによる申請管理とInsight PISOによるログ収集の組み合わせで、監査レポートを自動生成し、監査業務の煩雑さを軽減します。
NTTテクノクロスのコメント
今回の連携について、株式会社NTTテクノクロスのデジタルトランスフォーメーション事業部長、吉場武氏は「インサイトテクノロジー様との連携によって、データベースへの特権アクセスに関するセキュリティを強化し、監査業務を効率化できることを嬉しく思います。これにより、お客様のガバナンスと監査証跡の信頼性をさらに高められることを期待しています」と語っています。
今後の展望
インサイトテクノロジーは、データベース技術の追求を1995年に始め、現在ではデータガバナンスソリューションを提供することで企業のデータ活用を支援しています。新ツール「Insight Inspector」の発表を受け、今後の成長が期待されます。
企業は情報セキュリティの重要性が高まる中、こうした新しいツールを活用し、安全なデータ管理体制を築くことが今後の鍵となります。