持続可能な飲料水生成の新たな道を切り開くUravu
2024年、KYOTOを拠点にしたENRISSION INDIA CAPITAL株式会社が、インドの水不足問題に取り組むUravu Labs Pvt. Ltd.に対して革新的な出資を行いました。この投資は、同社が運営するファンド経由で行われたプレシリーズAラウンドの一環であり、両社の取り組みは今後の水生成技術において重要な役割を果たすことが期待されています。
Uravuの革新的なAWG技術
現在、世界では約22億人が安全な飲料水を手に入れることができない状況にあります。UNICEFのデータによれば、この問題は今後さらに深刻化すると予測されており、特にインドでは2030年までに人口の40%が水不足に直面する可能性があるとされています。これに対し、Uravuが提供するのは、空気中の水分を凝縮し飲料水や生活用水を生成する「AWG(Atmospheric Water Generation)」技術です。
この技術は、従来の水資源に依存せず、持続可能な水の供給を実現するための新たな解決策として注目を集めています。しかし、AWG技術は高いエネルギー消費や初期投資のコストが課題とされています。Uravuは、独自の乾燥剤を基にした手法を用いることで、これらの問題を克服し、効率的で低コストな水生成を実現しています。
Uravuの成長と今後の方向性
Uravuは、インドの飲食業や宿泊業を中心に飲料水の供給を拡大中です。将来的には、データセンターや半導体工場など、工業用水の供給を目的とした大型プラントの開発も視野に入れています。このような戦略は、同社が目指す持続可能な社会への貢献に繋がると言えます。
UravuのCEO、Swapnil Shrivastav氏とCOOのVenkatesh RY氏は、カリカット工科大学で建築環境を学び、2012年から水不足問題に取り組んできました。二人は、カナダのNPO Waterlutionでの経験を経て、この新たな企業を設立したのです。
ENRISSION INDIA CAPITALの役割
ENRISSION INDIA CAPITALは、「投資を通じて日本とインドの発展に寄与する」という使命のもと、インド工科大学を中心にスタートアップへの投資を行っています。この取り組みにより、現地の市場動向を理解しながら社会課題の解決に向けた企業を支援しています。
Uravuへの出資は、インドにおける飲料水の安定供給を目指す重要なステップであり、今後の展開に大きな期待が寄せられています。水不足の解決に向け、Uravuの技術がどのように活用されていくのか、今からその動向を見守る必要があります。
会社情報
Uravu Labs Pvt. Ltd.
- - 設立年: 2019年
- - 代表者: Swapnil Shrivastav
- - 所在地: インド・カルナータカ州バンガロール
- - URL: Uravu Labs
- - 事業内容: 空気から生成した飲料水の販売、プラント開発
ENRISSION INDIA CAPITAL株式会社
空気から生成された飲料水が、どのように私たちの日常を変えるのか、今後の展開に注目です。