DHLジャパンと佐川急便が環境保護の新たな一歩
2023年4月、DHLジャパン株式会社と佐川急便株式会社は、温室効果ガス排出量の削減に向けた「GoGreen Plus」契約を結ぶ運びとなりました。この契約は、持続可能な航空燃料(SAF)の導入を活用し、国際輸送の環境負荷削減を目的としています。両社はこれまでのパートナーシップを基に、地球環境への貢献をさらに強化することを目指します。
国際輸送サービス「飛脚国際宅配便」とは
飛脚国際宅配便は、佐川急便が提供する日本発の海外向け輸送サービスです。このサービスでは書類から貨物まで幅広く対応し、DHL Expressのネットワークを利用して、世界220ヵ国以上にドアツードアで素早く届けられる仕組みになっています。今回の契約により、佐川急便のサービスにおいて、DHLが提供するSAFの使用によって約10%の温室効果ガスの排出削減が期待されています。
環境への取り組み
佐川急便の代表取締役社長、笹森公彰氏は、今回の取り組みを通じて「温室効果ガスの排出は、運送業界にとって急務の課題である」と述べています。また、これまでにも環境に配慮した車両の導入や効率的なロジスティクスの構築に努めてきた同社は、DHLとの協力により、さらなる持続可能な物流の実現に向かって前進すると語ります。
DHLジャパンの代表取締役社長、トニー・カーン氏もこのパートナーシップを歓迎し、2050年までに温室効果ガスの実質ゼロを目指すビジョンを共有していることから、共通の目標に向かって協力していくことの重要性を強調しました。
DHL Expressの脱炭素化戦略
DHL Expressは「ミッション2050」を掲げ、温室効果ガスの排出ゼロを目指す取り組みを推進しています。これまで、電動配送車両の導入や航空輸送におけるSAFの使用、カーボンニュートラルな施設の運営を行ってきました。日本国内では約6,000社が「GoGreen Plus」を利用しており、業界初の取り組みとして注目されています。
「GoGreen Plus」の仕組み
「GoGreen Plus」は、カーボンオフセットではなく、脱炭素化を実現するための仕組みを採用しています。具体的には、「ブック&クレーム」方式により、利用目的の化石燃料を持続可能な航空燃料に置き換えることが可能です。これにより、SAFを利用する条件が整わなくても、顧客は相応の環境価値を享受することができます。
SAFの調達と将来の展望
GoGreen Plusで使用されるSAFは、2022年に英BP社およびフィンランドのNeste社、さらに2023年には米国のWorld Energy社との契約に基づいて調達されています。2025年には日本のコスモ石油株式会社との調達契約も締結され、アジア初のSAF調達が実現します。
DHLジャパンと佐川急便の提携により、国際エクスプレス輸送における新たな試みが始まります。今後も両社は、持続可能な物流の構築を進め、地球環境への負荷軽減に努めたいと考えています。詳しい情報については、GoGreen Plusの公式ウェブサイトをご覧ください。