花王が探る理想とベースメイクの変化
変わらぬ理想、変化するメイクのスタイル
近年、メイクアップトレンドはSNSの影響を受けて急速に変化しています。とりわけ、若年女性はその影響を最も強く受けており、理想とされる肌の表現にもその影響が色濃く反映されています。これは花王株式会社のビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下花王BRCC)が2005年から行っている調査からも明らかです。
調査の結果、2016年から2025年にかけて、若年層のベースメイクにおける「理想の肌」は「毛穴の見えない肌」「透明感のある肌」「ツヤのある肌」が常に上位に挙げられており、その理想は10年間ほとんど変わっていないことが分かりました。特に「毛穴の見えない肌」は、皮脂分泌が活発な若年層にとって、毛穴を隠し、滑らかな印象を与えるための重要な要素です。また、「透明感のある肌」と「ツヤのある肌」は、見た目の美しさへの強い憧れを示しているとのことです。
しかしながら、理想の肌像が不変である一方で、その理想を実現するためのベースメイクスタイルには大きな変化が見られます。特に、コンシーラーやフェイスパウダーの使用率はこの10年で大幅に上昇しています。これは、シミやそばかすをカバーするためのアイテムを使い分ける手法が定着してきた証です。SNSでは「完璧な肌」が美の基準とされることから、手間をかけていい肌を作ることが若年層の間で一般化されたのでしょう。
新たな価値観:余白を残すベースメイク
最近の調査結果では、若年層は「そばかすや赤みを残しても良い」とする意識が中高年層に比べて高く、自分の個性を重視する傾向が強いことが示されています。このような自己表現を重視する流れの中で、花王BRCCのメイクアップアーティストは“余白を残すベースメイク”を提案しています。これは、単に肌を隠すのではなく、自然な肌感を生かし、自分の良さを引き立てることを目的としています。
この新たなアプローチでは、ファンデーションを顔全体に塗りたくるのではなく、必要な部分だけを薄く重ねて仕上げるスタイルが推奨されています。これにより、首やデコルテとのつながりが自然になり、抜け感のある印象を生み出すことができます。さらに、工程を簡略化することで、メイクにかかる時間に余裕ができ、日常生活における心地よさを損なわないスタイルが実現できます。
余白残しの3ステップベースメイク
Step1: 下地は薄く均一に
顔全体に薄く塗ることで、毛穴や色ムラを整えます。カバー力の高い下地も、薄く仕上げることで透明感を引き出します。
Step2: ファンデーションは中心から
顔の中心に少量のファンデーションを塗り、フェイスラインへ向けてぼかします。この際、毛穴が気になる部分には、指先で軽くなじませることで自然な仕上がりに。仕上げにはスポンジで軽くタッピングしてフィット感を高めます。
Step3: パウダーを点置き
べたつきが気になる部分だけに透明感のあるパウダーを“点”でのせます。頬の高い位置や鼻筋は素肌のツヤを重視してパウダーをのせず、自然な仕上がりを維持します。
仕上がりをチェックする際は、鏡から50cmほど離れて全体的な印象を確認します。必要であれば、残ったファンデーションを少量加え、過剰感がある場合は化粧水ミストでなじませると良いでしょう。
この新たな基準によるベースメイクが、あなたの美しさと心地よさを実感させることでしょう。
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