半導体後工程向け新深紫外レーザの登場
株式会社オキサイドは、半導体の後工程市場に向けて新たな深紫外(DUV)レーザを製品化しました。その名も「QCW Kalama」シリーズの高パルスエネルギーモデルで、2025年12月17日から販売が開始される予定です。この製品は特に微細加工や特殊材料の加工において、高精度かつ低ダメージな加工が求められる用途に最適化されています。
半導体の進化とレーザ技術の重要性
昨今、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化が進んでおり、その影響によって半導体のチップ微細化が進んでいます。この流れの中で、半導体後工程における高密度実装や微細加工の重要性が高まってきています。従来の機械加工やエッチングプロセスに代わって、レーザによる非接触加工のメリットが注目を集めています。
特に、微小ビア(通路)形成や再配線層加工、レーザダイシング(切断)などのプロセスで、高い寸法精度とともに効果的な加工が実現されています。このような中で、オキサイドは半導体前工程で培った技術を生かして、後工程にも革新をもたらそうとしています。
新製品の特長
「QCW Kalama」シリーズ高パルスエネルギーモデルは、具体的には波長266nm、パルス幅約30ピコ秒、繰り返し周波数1MHz、かつパルスエネルギーが1μJを超えるという仕様です。この新しいレーザは、半導体製造における微細構造の形成や特殊材料の選択的な加工が要求される場面で、その能力を発揮します。特に、熱影響を最小限に抑えながらも高精度な加工が可能で、製造の歩留まり向上にも寄与すると期待されています。
- - 高パルスエネルギー: 従来のレーザと比較して、加工精度が向上し、ダメージの少ない加工が実現。
- - 熱影響の最小化: 深紫外波長とピコ秒パルス技術の組み合わせにより、効率的な加工が可能。
- - 生産性の向上: 繰り返し周波数が1MHzに達し、加工時間の短縮や高スループット化を実現。
この革新的なレーザ技術は、半導体製造の新たなスタンダードを作り出すことが期待され、業界全体への影響が大いに注目されています。
展示会情報
新製品の詳細については、2025年12月17日から19日まで東京ビッグサイト東ホールで開催される「SEMICON JAPAN 2025」に出展予定です。この展示会では、半導体関連の最新技術が一堂に会する貴重な機会として、多くの業界関係者が訪れるでしょう。
この革新はオキサイドにとっては新たな挑戦でもあり、これまでの成功を基にして新たな市場でのポジションを確立するための大きな一歩となることが期待されています。今後の展開から目が離せません。