川崎市でのSDGs特別授業イベント
2025年10月20日「リサイクルの日」に、神奈川県川崎市にある川崎事業所で、川崎市立新町小学校の5年生57名を招待し、SDGsをテーマにした特別授業イベントが行われました。この取り組みは、地域の企業と学校が協力する「川崎区企業市民交流事業」として実現しました。
ごみと資源循環の学び
イベントでは、児童たちが参加できる「めざせサステナブル!分別ゲーム」を通じて、ごみの分別ルールを楽しく学ぶことができました。このゲームは、子どもたちが自らの手でごみの分別を実践しながら、環境保護の重要性を体感する内容です。また、独自のケミカルリサイクル設備も見学し、使用済みのプラスチックを実際に投入する貴重な体験も提供されました。
プラスチックの新たな資源化
川崎市は、先駆的なごみ分別と資源循環の取り組みを進めています。株式会社レゾナックは、2003年からこの地域で唯一のプラスチックのガス化ケミカルリサイクル(KPR)事業を行っており、その重要性を児童たちに伝えることができました。今回のイベントを通じて、参加者は「ごみがどのように資源に生まれ変わるのか」を深く理解する機会を得ることができました。
児童たちは、イベント後に「分別について学んだことを家族に伝えたい」と語り、プラスチックが新しい資源に変わる過程に驚きを隠せない様子でした。川崎市の担当者も「今後もこのような取り組みを続けていきたい」と意気込んでいます。
未来を担うSDGs世代の育成
現在、小学生は初等教育からSDGsに接し、持続可能な社会を形作る重要な役割を担う世代として成長しています。株式会社レゾナックは2050年のカーボンニュートラルに向け、次世代を支えるSDGs人材の育成に力を入れています。イベントを通して児童が「自分ごと」として資源循環の意義を理解し、持続可能な社会の実現に向けた意識を高めることが期待されます。
プラスチックケミカルリサイクル事業(KPR)について
KPR事業は、使用済みプラスチックを高温でガス化し、分子レベルで分解して水素と炭酸ガスを取り出すものです。このプロセスでは化石燃料を用いず、取り出した水素は合成繊維や化学肥料などの原料として利用されます。また、炭酸ガスは大気中に放出されず、ドライアイスや飲料の原料として再利用される仕組みが整っています。2022年には、同事業で累計100万トンを超えるプラスチックを処理することに成功しました。
このように、川崎市での特別授業は、持続可能な社会を築くための大きな一歩であり、未来を担う子どもたちに貴重な経験を与えました。今後も同様の取り組みを通じて、多くの子どもたちが環境への意識を高め、社会に貢献できることが望まれます。