綿半グループ・須江林産の新たな挑戦
長野県佐久市にある有限会社須江林産は、綿半建材株式会社の子会社として、新たに苗木生産事業を開始しました。この取り組みは、持続可能な森林資源の循環を目指し、地域の林業発展に寄与することを目指しています。
苗木生産事業を始めた背景
佐久地域では森林の主伐や再造林が盛んに行われていますが、植栽作業にかかる人手不足が長年の課題となっていました。そのため、主伐業務を継続しながら植栽するためには戦略的な体制が求められていました。2023年度から農事法人に植栽業務を委託することで、この課題に対応しています。
増加する苗木需要
再造林が進む中、苗木の需要が急激に高まっています。しかし、長野県内の北信・中信地域へ苗木を調達しに行く必要があり、コストや輸送面での負担が発生していました。これを受け、須江林産は苗木の安定供給を実現するため、自社での生産に乗り出しました。
苗木生産事業の目標
2025年度にはカラマツ苗木5,000本の生産を目指し、翌年度以降は1万本から5万本規模への拡大を計画しています。また、最終的には年間10万本の苗木を自社で生産し、さらなる成長を図る方針です。これにより、将来的には年間20万本から30万本規模の生産体制を目指しています。
地域との連携と育苗のルーツ
須江林産の苗木生産は、地域の歴史を尊重した取り組みです。長野県佐久市協和の大谷地地区には、かつて独自の育苗技術が存在しており、この地域での育苗の歴史を活かしたプロジェクトとして位置づけられています。この伝統的な知識を次世代へと引き継ぐ形で、須江林産は新たにこの地区で生産を開始しました。
統合された森づくりのモデル
須江林産はこれまで、森林に関する専門知識を活かし、伐採や植林、間伐などさまざまな林業活動を行ってきました。2024年に綿半グループに加わった後は、素材丸太の生産から加工、施工、販売までを一手に担う体制を構築しています。今回、苗木生産事業を始めたことにより、「植える・育てる・伐る・使う」という循環型の林業を全て自社内で完結できるようになりました。
結論
この取り組みは、綿半グループが掲げる持続可能な資源活用を推進する重要な一歩です。須江林産は、今後も森林の循環を強化し、地域資源を最大限に活用した林業のモデルケースを確立するために挑戦していきます。地域と共に成長し続ける須江林産の今後に期待が高まります。