積水ハウスとブリヂストンの共同プロジェクト
積水ハウス株式会社とブリヂストン株式会社は、持続可能な社会の実現を目指し、新たなリサイクル技術の開発に取り組むことを発表しました。このプロジェクトは、特に住宅の給水給湯に使用される樹脂配管に着目しており、新築時に発生する端材を水平リサイクルすることを目的としています。これは業界初の試みであり、環境への負担軽減に貢献することが期待されています。
給水給湯樹脂配管のリサイクルへの取り組み
積水ハウスは、「ゼロエミッションシステム」を通じて、住宅の新築やリフォーム時に発生する廃棄物を自社の資源循環センターに回収し、リサイクルを行っています。このシステムを活用することで、給水給湯樹脂配管から出る端材を効率的にリサイクルしています。特に内管はマテリアルリサイクルが難しいため、これまでは熱エネルギーとしての再資源化が主流でした。
一方、ブリヂストンは新たにポリブテンパイプという素材を使用し、この樹脂をマテリアルリサイクル可能な熱可塑性樹脂として結び付けています。このプロセスにより、ブリヂストンは施工時に生じる端材を再活用できるようになりました。
70%超のクローズドループリサイクルの実現
この新たな共創により、積水ハウスでの新築施工時に排出されるブリヂストン製の給水給湯樹脂配管端材の70%以上が、クローズドループリサイクルの形で再利用されることになりました。
この仕組みは、他の用途にリサイクルされる端材を考慮すればほぼ100%のマテリアルリサイクルを達成することになります。両社はこの成功を通じてさらなる持続可能性を追求し、資源の無駄を削減し、環境保護に貢献していく方針です。
サステナブルな社会に向けた両社のビジョン
積水ハウスは、自社のグローバルビジョンの下に「わが家」を世界一幸せな場所にすることを掲げています。さらに、2002年から2007年には業界初となる生活のライフサイクル全体を通じたゼロエミッションを達成いたしました。これにより、住宅業界におけるサーキュラーエコノミーに向けた変革を先導しています。
ブリヂストンもまた、2050年までにサステナブルなソリューションカンパニーに成長することを目指し、製品の一貫したリサイクルプロセスを強化しています。この企業努力により、新たな価値を持つ製品を社会に提供していく方針です。これらの取り組みは、結果的にカーボンニュートラルへ向けた道筋を作り、持続可能な社会を築くための基盤を強固にします。
両社のこのような協働的な努力は、企業間の共創を促進し、持続可能な資源利用を推進していくものです。これからの業界の未来を支える重要な一歩と言えるでしょう。