新たな価値創造の挑戦
2025-12-03 12:17:30

ASTRA FOOD PLANが導入した過熱蒸煎機が切り拓く、野菜端材の新たな価値

ASTRA FOOD PLANの挑戦



富士見市に本社を置くフードテックベンチャー、ASTRA FOOD PLAN株式会社は、日本の食品業界が抱える深刻な食品ロス問題に取り組んでいます。彼らが新たに導入した「過熱蒸煎機」は、食材の風味や栄養を損なうことなく、わずか10秒で乾燥と殺菌が可能な先進的な装置です。

この装置を使うことで、業務用カット野菜の製造を行う株式会社健食(栃木県宇都宮市)が生成する、日々約3トンの野菜端材の有効利用が期待されています。今まで産業廃棄物として扱われていたこれらの端材を、「ぐるりこ®」という高付加価値のパウダーにアップサイクルし、新しい商品開発の可能性を広げています。

食品ロス問題の深刻さ



日本では、年間約462万トンの食品ロスが発生しています。その中でも、加工段階での「かくれフードロス」は非常に多く、推計で年間2000万トン以上にも上るとされています。健食では、キャベツや玉ねぎ、にんじんなどから発生する端材が廃棄されることに悩まされていました。これまでは、野菜端材を処理するためにかかるコストや、価格が上昇する野菜の利益率が圧迫され、とても難しい状況でした。

こうした背景から、健食はより付加価値の高い商品を目指して「過熱蒸煎機」の導入を決定しました。これにより、食材の不可食部分をも含め、全く新しい形で野菜を利用する試みが始まります。

過熱蒸煎機の特長



「過熱蒸煎機」は、非常に柔軟な設計を持ち、複数の野菜端材を効率よく処理できることが特徴です。水洗いで簡単に清掃できるため、異なる品目の野菜でも問題なく運用可能です。この機械による処理では、食材の風味と栄養価が最大限に保たれ、さらには生産効率の向上も実現しています。

具体的には、高温スチームによって酸化を防ぎ、ビタミンやミネラルを高い割合で維持することができます。この技術により、食材の旨味成分が強化されることもあるため、さらなる商品開発に期待がかかります。

新商品開発への道



今後は、『ぐるりこ®』を用いた新商品の開発が進められる予定です。キャベツや玉ねぎの端材を利用した新しい調味料や、地域特有の素材を使った食品原料の提案が考えられています。特に宇都宮の農産物を活かした餃子の原料としての活用も期待され、地域経済の活性化にも寄与するでしょう。

健食の取締役、野口知江子氏は、この取り組みが資源循環型社会の実現に向けた第一歩であると語ります。「過熱蒸煎機」を活用することで、これまで価値を見いだされなかった部分を再評価し、高い栄養価を持つパウダー商品や調味料が生み出されることになります。これは、消費者にとっても魅力的で、健康寿命を支える一助となるでしょう。

持続可能な未来に向けて



このプロジェクトは、単なる副産物利用にとどまらず、持続可能な食品ビジネスへのシフトを強力に推進するものです。ASTRA FOOD PLANが目指す「サステナブルな社会の実現」に向けて、食品ロス問題の解決に貢献し、地域農産物の付加価値向上にも寄与することが期待されます。

このような取り組みが広がることで、日本全体がより持続可能な未来へとシフトしていくことを願っています。環境に優しく、健康に貢献する食品の提案を通じて、ASTRA FOOD PLANは新たな価値を創造し続けるでしょう。


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会社情報

会社名
ASTRA FOOD PLAN株式会社
住所
埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
電話番号
049-293-2654

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