ボイット株式会社がアイコム株式会社との戦略的提携を発表し、両社は業務用通信の進化に向けた新ソリューション『ICOM CONNECT』の展開を加速しています。このアプリはスマートフォンをインカムとして使用できるだけでなく、アイコムのIPトランシーバーと無線モバイルIPフォンとも連携し、既存の通信環境を生かしつつ新たな通信システムを融合させることで、公共インフラ業や介護、交通機関を含む多様な業種で導入が進んでいます。
提携の意義と背景
近年、労働人口の減少が進み、現場業務のデジタル化や効率化が急務となっています。特に、介護や医療などの分野では高度なコミュニケーション機能が求められています。アイコム社は、60年に及ぶ無線通信の実績を保有し、特に業務用無線のリーディングカンパニーとして知られています。一方で、ボイット社は最新のAI技術を駆使した音声認識アプリを展開し、急成長を遂げています。両社の強みを融合させることで、お互いの技術を高め合いながら新しいコミュニケーションソリューションを提供し、国内外の多様なニーズに応えていく方針です。
『ICOM CONNECT』の特長
『ICOM CONNECT』の大きな特長は、アイコムのIPトランシーバーとのスムーズな連携です。これにより、IPトランシーバー(例えばIP510HやIP501M等)と通話が可能になります。また、音声によるコミュニケーションに加え、27ヶ国語対応の同時通訳機能や、会話の自動文字起こし機能など、AI技術を活用した高度な機能が盛り込まれています。加えて、スマートフォンやPCなど、複数のデバイスで利用可能なため、業務の柔軟性を高めています。
介護業界への提案
すでに『ICOM CONNECT』は、介護業界に向けたナースコールとの連携にも取り組んでおり、外国人労働者とのコミュニケーションをサポートする機能も充実。社会的ニーズに対応しつつ、労働力不足問題に立ち向かう効果的なソリューションとして展開されています。
今後の展開
今後、両社は製品機能を強化し、他社のコミュニケーションツールとの連携機能も開発予定です。特に、デジタルサイネージなどとの連携により特定業界の課題を解決することを目指しています。また、アイコム社の広範な海外販売網を活用したグローバル展開も視野に入れており、多言語対応機能を利用して外国人労働者の増加に対応する見込みです。
代表のコメント
アイコムの社長である中岡洋詞氏は、「ボイット社との提携により、弊社の無線通信技術とボイットの先進的なAI技術を融合させることができ、次世代の業務用通信ソリューションを提供できることを大変嬉しく思います。」と述べています。また、ボイット社の永冨泰高CEOも、「日本を代表するアイコム社とともに新たな無線通信サービスを開発できることを光栄に思っている」と強調しています。
『ICOM CONNECT』は2025年7月よりサービスを開始予定で、介護や医療、公共インフラ業など様々な業種での導入が期待されています。この提携によって、業務の効率化や働き方改革の推進が進むことが予想されます。