乳がんを防ぐための「ブレスト・アウェアネス」がついに改訂 - ピンクリボン月間の取り組み
10月に入り、乳がんの啓発活動である「ピンクリボン月間」がスタートしました。この機会に厚生労働省の指針を受け、啓発冊子「ブレスト・アウェアネス ブック」が改訂され、全国の連携自治体でおよそ3万部が配布されることが発表されました。
ピンクリボン月間と啓発冊子の改訂
「ピンクリボン月間」は、乳がんに対する理解と予防を促進するために設けられた期間であり、毎年多くの啓発イベントや活動が行われています。特に、今回の啓発冊子の改訂は、乳がんの罹患率が増加している現状を踏まえ、患者や家族、社会全体の意識を高めるために必要不可欠な取り組みです。
厚生労働省が2021年に「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を改正し、「自己触診」から「ブレスト・アウェアネス」という概念へと重点を移しました。この新しい視点に基づき、啓発冊子には乳がんについての基礎知識や早期発見につながる生活習慣の重要性が詳述されています。
調査結果から見る認知度の低さ
今年8月に行われたアンケート調査の結果が明らかになりました。乳がんの罹患率に関する正しい認識を持っている人は7%に過ぎず、73.5%の人が「乳がんの罹患率は増加している」ことを知らないと回答しています。また、乳がんの早期発見と早期治療による5年生存率についても、8割の人が認識不足であることが明らかになりました。
この結果からも、「ブレスト・アウェアネス」がいかに多くの人に知られていないかが浮き彫りとなっています。これを受けて、啓発冊子の改訂には乳がんに関する正しい情報が盛り込まれ、さらなる普及拡大が期待されています。
取り組みの具体例
今月から東京都や横浜市などで行われる「ブレスト・アウェアネス」の啓発イベントでは、パネル展示や駅周辺のデジタルサイネージを通じて乳がん検診の重要性が訴えられます。葛飾区では、新小岩駅前広場にあるモンチッチ銅像にピンクリボンの装飾が施され、視覚的にもこのメッセージを発信する予定です。
さらに、東京都の渋谷区では、地元の商業施設を利用した啓発イベントが企画されており、これにより地域住民が乳がんについて考える機会を提供します。こうした活動は、地域全体での乳がん予防と早期発見に向けた意識向上に寄与するでしょう。
結論
「ブレスト・アウェアネス」は、乳がんを早期に発見し、適切な治療を受けるための重要なアプローチです。啓発冊子の改訂や地域でのイベントを通じて、多くの人がこの意義を理解し、実生活に活かすことが期待されます。自分自身や大切な人を守るためにも、ぜひ「ブレスト・アウェアネス」を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。自身の健康を考える第一歩となることでしょう。