日本の分断を探る：スマートニュースの調査結果を解説

2023年3月、スマートニュース株式会社が実施した「スマートニュース・メディア価値観全国調査」（SMPP調査）は、現代日本における政治や社会の分断を明らかにするために行われました。これに基づく書籍「日本の分断はどこにあるのか」が、2023年10月16日に勁草書房から出版されることが発表されました。書籍では、日本社会の中に潜む様々な分断の実態と、その背後にある価値観やメディアの接触状況などが詳述されています。

この書籍の編者は、同志社大学の池田謙一教授、東京大学の前田幸男教授、そしてスマートニュースメディア研究所の所長である山脇岳志であり、高い専門性を持つメンバーが集結した研究成果となっています。

調査の概観

調査結果は、イデオロギーや政治との距離、倫理的価値観、リーダーシップに関する意見、さらには将来に対する期待感といった5つの分断軸を浮き彫りにしました。また、従来のマスメディアだけでなく、SNSなどへの接触状況も分析され、これらが日本の社会にどのような影響を持っているのかを考察しています。

各章の内容

書籍は大きく二部構成に分かれており、第一部では日本の政治的分断の現状と、それが情報世界でどのように反映されているのかを探求しています。具体的には、日米の分極化の違いやメディアへの接触パターン、一般の人々がメディアをどのように利用しているかに焦点を当てています。

もう一つの第二部では、具体的な分断軸についてさらに掘り下げており、イデオロギー的な対立がどのように社会の対立を規定しているかを分析する章や、首相に対する感情が有権者の対立をどのように深めるかを探る章など、政治意識や行動とも深くつながる議論が展開されています。