筑後川水系・巨瀬川の特定都市河川指定で流域治水の実現へ

筑後川水系・巨瀬川の特定都市河川指定

2023年12月23日、筑後川水系に位置する巨瀬川等が特定都市河川として正式に指定されました。この指定は流域治水関連法に基づくもので、今後地域の水害リスクを管理し、流域全体で安全なまちづくりを進める大きな一歩となります。

流域治水に向けた新たな取り組み

特定都市河川に指定されたことで、九つの河川において流域水害対策協議会が設立されます。この協議会は、河川管理者、自治体の首長、下水道管理者などが集まり、ハード対策だけでなく、内水対策にも取り組みます。具体的には、雨水貯留施設や雨水流出抑制施設などの設置を進めることで、流域内の浸水被害を軽減する計画が立てられています。

さらに、住民の生活にも影響を与える宅地化に関する取り組みが行われ、令和7年12月23日以降、一定規模以上の土地からの雨水流出を抑制することが求められます。これにより、新たな住宅や施設の開発においても水害リスクを考慮する仕組みが導入され、より安全な街づくりが促進されることになります。

国土交通省の全国的な取り組み

国土交通省は、特定都市河川の指定を全国に広げる計画を持っており、流域治水関連法の適用範囲を拡大していく方針を示しています。これにより、今後も地域ごとの水害対策が強化され、次世代に向けた安全で安心な生活環境が築かれることが期待されます。

指定された流域内では、住民や地域の意見を踏まえた計画が推進されます。流域の特性や水害リスクに応じた適切な施策を講じることで、地域の持続可能な発展を目指します。

地元の力を活かす地域づくり

流域治水は単に河川の整備だけでなく、地域の人々が参加することが重要です。流域水害対策協議会は、住民の意見を取り入れながら、地域の特性に応じた防災対策を実施していきます。住民の皆さんも積極的に参加し、自らの住環境を守るための取り組みに加わることが求められます。

この流域治水の取り組みは、地域の次世代への継承、さらには安心して住める環境の整備にも寄与します。重要なのは、過去の水害の教訓を生かし、未来に向けた持続可能な地域づくりを進めることです。

今後、筑後川水系巨瀬川がどのように進化していくのか、地域の皆さんの関心が高まります。これだけでは終わらず、日本各地での類似の取り組みが相次いで進められることが期待されています。流域治水の本格的な実践が地域にどれだけ良い影響を与えるか、今後の進展に注目です。