革新的情報通信技術が拓く未来、NTTらが連携した新プロジェクトとは

革新的情報通信技術が拓く未来

2024年10月22日、総務省とNICTから発表された「革新的情報通信技術（Beyond 5G（6G））基金事業」において、NTT、KDDI、富士通、NEC、楽天モバイルの5社が採択されました。この取り組みは、未来の通信ネットワークを支える重要な一歩として注目されています。

1. 研究開発の目的

新たな情報通信技術の研究開発では、複数の通信プロバイダ間での協調を強化し、耐障害性やサービスの品質保障を向上させることが目指されています。具体的には、オールフォトニクス・ネットワーク（APN）を用いた技術の確立で、ユーザーが複数のクラウドやデータセンターを同時に利用できる環境を整備します。そして、接続先の切り替えを容易にする機能の開発も進めます。

2. 情報通信の将来

Beyond 5G（6G）時代の到来により、情報化が加速し、膨大なデータ処理が求められます。これに応えるためには、現在の情報通信インフラを大幅に強化する必要があると考えられています。先日発表された報告書には、さまざまなプロバイダが連携してお互いを補完し合う技術が求められると明記されています。

3. 具体的な技術開発項目

本プロジェクトでは、次のような研究開発項目が予定されています。

- 全体的アーキテクチャの策定: オール光ネットワーク全体の設計を行い、効率性を高めます。
- 光ネットワークフェデレーション技術: 異なる事業者のAPNを安定的に相互接続できるAPI機能を導入。
- サブチャネル回線交換技術: ユーザーの要求に基づき、エンドツーエンドで通信品質を保つ技術です。これにより、複数のサービスを同時に利用できるようになります。
- 分散型ROADM技術: 地方データセンターや中小拠点におけるAPN展開を容易にする機器の開発を行います。

これらの技術が実現されると、ユーザーは異なる通信プロバイダから選択し、高速で遅延の少ない通信が可能になります。

4. 期待される効果

研究開発が成功裏に進めば、AIやクラウドサービスを提供する様々なプロバイダへの同時接続が実現し、利用者にとっての利便性が大幅に向上します。

さらに、APNの小型ノードの開発により、さまざまな拠点での情報通信を支えるインフラが構築され、企業や地域が情報通信技術の恩恵を受けやすくなります。この取り組みは、情報社会の構築に向けて重要な役割を果たすことでしょう。