AIが変えるリハビリテーション病院の業務改善の未来とは

AIがリハビリ現場を変革する

大阪府堺市に本社を置く医療法人生和会グループのMR＆S有限会社、SDX研究所がリハビリテーション病院向けに新たなAIアプリケーションの開発を推進しています。このアプリは、医療従事者が直面する業務の効率化を図り、現場のニーズに即した機能を備えることを目指しています。

医療現場の課題

現在の医療現場では、様々な課題が山積しています。まず、多くのマニュアルが存在し、それを確認する際の負担は増大しています。医療従事者は、日々変わる情報を常に把握し続けなければならず、そのプロセスが複雑化しています。また、最新のエビデンス情報を収集・分析・共有するにも多大な労力を要し、時間が限られている中でこれを行うのは容易ではありません。さらに、患者の入退院調整業務も複雑で、業務負担が増す一因となっています。これらの課題に対処するため、AIを活用したソリューションが必要とされています。

SDX研究所の開発方針

SDX研究所のAIアプリ開発にはいくつかの特長があります。第一に、臨床現場の医療従事者からの声を反映させ、潜在的なニーズを掘り起こすことで、実際の業務に役立つソリューションを提供します。これにより、医療従事者が本来の専門業務に専念できる環境を整えることが可能になります。

第二に、導入と運用コストの削減に力を入れています。外部サービスと比較し、必要な機能を厳選してコストを抑えながらも、柔軟なカスタマイズが可能です。各医療機関の運用ルールに応じて適応できるため、長期的な運用負担を軽減します。

第三に、ユーザーエクスペリエンスにも配慮しています。医療従事者が日常的に使いやすい直感的なインターフェイスを設計し、専門用語や業務プロセスを考慮したUI/UXを実装しています。これにより、マニュアルの更新や情報検索がスムーズに行えるようになり、業務の効率化を促進します。

今後の展望

SDX研究所は、関西のグループ病院9施設において、2025年6月を目指してアプリの試験導入を行い、運用データやフィードバックを収集します。この検証結果に基づき、アプリの使い勝手や機能を順次改善し、完成度を高めることが求められています。その後、アプリの有効性が確認され次第、全国のグループ病院への展開を進め、さらなる業務の効率化を図る計画があります。最終的には、他の医療機関でも導入できるよう外部提供を検討し、医療現場のデジタル化を支援することを目指しています。