お助けバスの新展開
2020-09-02 11:00:04
バス会社が地元高齢者の活力を支える新たな挑戦
2020年8月1日、大阪府堺市南区の貸切バス事業者、SSツアーアシスト株式会社は新たな取り組みを開始しました。その名も「お助けバス」として知られるこのバスは、地元の高齢者の買い物を支援するために運行されています。地域に密着したサービスが求められる中、SSツアーアシスト株式会社の髙木社長は、コロナ禍の影響で観光バス収入がゼロとなった今こそ、身近な困りごとを解決することが重要だと考えました。
この地域、泉北ニュータウン御池台地区は、もともと開発された際に多くの世帯が住んでいましたが、現在は近隣のスーパーが閉店してしまい、移動販売車の利用も増えています。ただ、それらは食料品が中心であり、何かと不便を感じている高齢者の方々が多いのが現状です。そこで髙木社長は、地域住民の利便性を高めるために、「お助けバス」の運行を決定したのです。
新型コロナの影響が強まる中、特に貸切バス業界は大打撃を受けています。髙木社長は、起業してからわずか半年でこの難局に直面しましたが、観光だけでなく、近隣の人々を支える役割に目を向けることで、新しい道が開けると確信。安心して利用できる場所を提供することが、事業の存続にもつながると信じているようです。
「お助けバス」の大きな特徴は、運転手が介護福祉士の資格を持つことです。高齢者に特化したサービスを提供するため、専門的な知識を持つドライバーが乗務することで、利用者の安全が確保されます。また、乗車定員数を半分に減らし、密を避ける努力も行っています。さらに、毎回の乗車時に手指のアルコール消毒をお願いするなど、感染症対策にも力を入れています。
バスを利用するのは、同地区の住民のみ。顔なじみの方々がほとんどであり、安心して利用できる環境が整っています。また、トランク付きのバスを用意することで、カートやベビーカーを積むことも可能ですので、大きな買い物をする際も心配ありません。
コースは多彩で、公共交通機関が出ていない光明池駅の巡回を中心に、ショッピングモールや道の駅、さらにスーパー銭湯にも立ち寄りが可能です。このサービスにより、利用者は友人や知人と一緒にお出かけを楽しむことができ、日常生活に彩りを取り戻すきっかけになっています。利用者からは「楽しかった」「また乗りたい」という声が多く寄せられ、高齢者の生活を活気づける一助となっています。
この「お助けバス」の運行を通じて、SSツアーアシスト株式会社は地域社会への貢献と共に、事業の存続への新しい道を模索しています。費用についても、自治会員用の定期券が月3000円、一般の方用は4000円、3ヶ月有効の回数券は3000円です。このように経済的負担を軽減し、より多くの方々に利用していただけるよう努めています。
利用を希望される方は、まず電話でのお問い合わせが必要です。地元の高齢者のニーズに応えるこの取り組みは、今後も期待がかかります。地域の絆づくりや高齢者の社会参加を促進する「お助けバス」の存在は、まさに新たな時代のサービスと言えるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
SSツアーアシスト株式会社
- 住所
- 大阪府堺市南区竹城台2-15-1
- 電話番号
-
072-289-6969