フィリピン視察団、岡山理科大学に来訪
1月24日、フィリピンのビサヤ地方からの視察団が岡山理科大学を訪問し、特に好適環境水を活用した陸上養殖施設に興味を持ちました。この訪問には、フィリピン農業省のマリオ・N・ルイナタビサヤ地方地域統括部長をはじめ、セブ州の漁業担当官などのメンバー6人が参加しています。彼らは、現在自身の地域で陸上養殖の可能性を検討している中、岡山理科大学での取り組みを学ぶために訪れました。
訪問の背景
フィリピンでは近年、気候変動や台風、高波などの影響により漁業環境が厳しくなっています。特に、台風の際に漁具が流されることが多く、国外からの漁船によっても漁業が脅かされています。ルイナタ部長は、「陸上養殖はこれらの外的要因の影響を受けずに持続可能な漁業を確保できる可能性がある」との見解を示しました。
岡山理科大学の取り組み
視察団は、岡山理科大学の平野博之学長と面会した後、生物生産教育研究センターへと移動しました。同センターでは、山本俊政准教授から陸上養殖に関する詳細な説明を受け、陸上で35トンの水槽で養殖されているカレイやニホンウナギ、タマカイなどを実際に観察しました。
ルイナタ部長は、見学中に「長期間水の交換が行われていないのに、なぜこんなに元気に育つのか?」や「ろ過装置はどのような材料でできているのか?」といった質問を積極的に投げかけました。特に、ヒメマスの稚魚が活発に泳いでいる様子をスマートフォンで撮影する場面も見受けられました。
陸上養殖の期待
視察団のメンバーは、陸上養殖がフィリピンの漁業に与える影響の大きさを実感し、今後の導入について強い期待を持っています。この技術が普及すれば、持続可能な漁業の確保に寄与するだけでなく、漁業従事者の生活向上にも繋がるでしょう。訪問の最後にルイナタ部長は「岡山理科大学の研究成果から学び、実際に取り入れていきたい」と意欲を見せました。
今後、岡山理科大学とフィリピンとの連携がどのように進むのか、注目が集まります。