磯崎新展、水戸開催
2025-09-24 14:44:58

磯崎新の建築哲学を探求する展覧会が水戸で開幕

2022年末、建築界の巨星、磯崎新が逝去しました。その没後、初めてとなる大規模な回顧展『磯崎新:群島としての建築』が水戸芸術館で開催されます。本展は、磯崎の多様な建築活動を「群島」として象徴的に示し、建築、都市、芸術の垣根を越えた彼の作品や思想を体感する貴重な機会です。

磯崎新は1931年に大分市で生まれ、1954年に東京大学建築学科を卒業後、1963年に自身のアトリエを設立しました。彼は、旧大分県立図書館(現アートプラザ)や群馬県立近代美術館、ロサンゼルス現代美術館など、多くの国内外の重要な建築物を手掛けました。また、近年ではカタール国立コンベンションセンターや上海シンフォニーホールなど、国際的なプロジェクトにも関わるなど、建築家としての地位を不動のものとしました。

本展では、磯崎の建築哲学や実績をさまざまなメディアを通じて紹介します。代表作や彼が手掛けた重要なプロジェクトに関する模型、図面、映像、そしてスケッチなどが一堂に集結します。特に「建築外」の視点を示す項目には、磯崎が芸術や文化に与えた影響を強調していく方針です。

『城市』『建築』『テンタティブ・フォーム』などのテーマに基づき、磯崎の著作や彼が提案した架空のプロジェクトも展示します。その中には、彼が東大在籍時に関わった東京計画1960や、アーバンデザインの試みとして提案した新宿や渋谷の空中都市計画など、未実現ながら彼のビジョンを反映した作品も含まれています。

展覧会の目玉として、水戸芸術館自身も磯崎の代表作です。その傑作の一つを舞台に、彼の理念や創造のプロセスを体感できるような展示が行われます。本展を通じて、磯崎新の思考や哲学、そして彼が残した業績を振り返ることができる貴重な機会となるでしょう。

関連プログラムとしては、ゲストキュレーターによるレクチャーや、ドキュメンタリー映画の上映、さらに美術館の構造設計者による解説など、多彩なイベントが用意されています。また、来館者は全ての展示を自由に楽しむことができ、特に『水戸芸術館ガイドブック』をもとに、自らのペースで磯崎の魅力を探求することができます。

『磯崎新:群島としての建築』は、21世紀の建築界で必要な視点や、詩的な表現を経て現代に受け継がれるべき重要なストーリーが詰まった展覧会です。磯崎新の仕事は、単なる建物を超え、私たちが住む世界全体に影響を与えるものとなるでしょう。水戸芸術館でのこの特別な回顧展へぜひお越しください。


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会社情報

会社名
公益財団法人水戸市芸術振興財団
住所
茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号
029-227-8111

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