CEOリーダーシップレポート2023の概要
株式会社マネジメントサービスセンターは、米国DDI社との協力により実施した「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト」に基づく調査結果をまとめた『CEOリーダーシップレポート2023』を発表しました。このレポートでは、CEOが組織のリーダーシップにおいてどのような役割を果たし、またその成功を妨げる要因について検討しています。
CEOの孤立のリスク
レポートによると、CEOが従業員と隔絶され上層部の情報のみを重視すると、組織は将来の課題に対応する力を失います。孤立したCEOは、周囲の意見やニーズを無視することになり、結果的に組織のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
調査の対象と分析
本レポートでは、16,000人以上の従業員を擁する企業498社から529人のCEOとなるリーダーと1,827人の人事担当者の分析を行いました。分析の結果、CEOの戦略的思考が企業の成長にどれだけ影響を与えるかが浮き彫りになりました。特に、CEOの成功はCHROとの連携によるものであることが強調されています。 CEOsが自社の状況に満足している場合、その背後にCHROが大きく貢献している可能性があります。
CHROとの戦略的関係の重要性
リーダーシップを強化するためには、CEOとCHROの密接な関係が必要です。CEOが経営陣との良好な関係を築くことで、将来的に必要とされる人材を効率的に獲得し、組織の連携を深めることができます。このことが、企業全体のエンゲージメントやパフォーマンス向上に寄与します。
上級管理職の質がリーダーシップに与える影響
レポートでは、上級管理職の質がCEOの自信に及ぼす影響を指摘しています。質の高い上級管理職を持つ組織では、重要なリーダー役職の65%を社内で充足できる一方、質が低い場合はわずか28%にとどまります。これにより、企業の成長が阻まれることが明らかになりました。さらに、経営幹部が安易に上級管理職を軽視することで、リーダー層の不安定さが増すことが指摘されています。
柔軟な働き方と信頼
また、経営陣が「柔軟な働き方」に理解がない場合、信頼を損なう結果につながります。組織の人材供給体制が整っていなければ、CEOは効率的にリーダーシップを発揮することができず、企業としても大きな損失となります。
中長期的な視点での後継者育成
優れた組織では、後継者育成が戦略的に行われています。質の高い後継者を育成することが、リーダーシップの安定性をもたらし、企業全体の機敏性や安定性を向上させるためには欠かせない要素であると言えるでしょう。
結論
『CEOリーダーシップレポート2023』は、経営陣が直面する多くの課題を明らかにし、CEOの活躍には他の役職との連携が不可欠であることを示唆しています。このような観点から、今後の企業運営では、リーダーシップの質を向上させるための具体的なフィードバックや施策が重要であり、CEOが孤立せず、他の経営陣と協力していく姿勢が求められます。
このレポートを通じて、経営者や人事責任者が自社の人材戦略を再考し、より良い組織の実現に向けた次の一手を打てることを期待しています。