インターステラテクノロジズと北海道大樹町、合意書締結
インターステラテクノロジズ株式会社が、2025年6月12日に北海道大樹町との間で人工衛星発射場に関する基本合意書を締結しました。この合意に基づき、両者は今後、新たな発射場「Launch Complex1」(以下、LC1)の詳細契約に向けた協議を進めていく予定です。
宇宙港の利便性と魅力
大樹町はロケットを東と南方向に打ち上げるための理想的な地理条件を備えており、広大な土地を活かした発射場の拡張性も魅力です。1985年より、航空宇宙産業を誘致し、地域の成長を促進してきた同町では、インターステラテクノロジズが2013年から事業を開始。すでに複数回のロケット打上げを成功させています。
Hokkaido Space Port(HOSPO)は民間に開放された商業宇宙港であり、東京からのアクセスの良さや、多様な軌道への対応が可能な点が特徴です。大樹町は、LC0に続く発射場を整備中で、2024年12月にはLC1の打上げ事業者を公募します。
インターステラテクノロジズの挑戦
今回の合意は、国内外から9社の検討の中で、インターステラテクノロジズが最も計画の確度が高い事業者として評価された結果締結されたものです。今後、同社は小型人工衛星打上げ用ロケット「ZERO」の専用設備や推進剤プラント、発射台の整備を進め、早期の打上げを目指します。
大樹町長の黒川豊氏は、この合意によって大樹町が目指す“宇宙のまちづくり”に向けた大きな一歩であると語ります。「夢の実現に向け、町全体で支援していく意気込みです」とのことです。
インターステラテクノロジズ代表の稲川貴大氏は、事業を始めてから12年間の実績を強調し、地域の方々の支援に感謝するとともに、今後も日本の宇宙輸送能力の向上に努める意向を示しました。
今後の展望
インターステラテクノロジズは、LC1から初めて打ち上げる“小型人工衛星打上げロケットZERO”を用いて、日本国内での宇宙産業全体の成長を支えたいと考えています。また、HOSPOを中心として、宇宙関連事業の活性化による地方創生も目指します。
これにより、北海道大樹町が「宇宙版シリコンバレー」としての地位を確立し、地域の発展に寄与する未来が期待されます。全てのプロセスが大樹町内で完結する形は、地域にとっても大きな意味を持つことでしょう。実際に“宇宙のまち”として成長を遂げる姿を今後、注目していきたいと思います。