年収の壁引き上げ調査結果から見る新しい働き方の潮流とは

シェアフル株式会社が行った第二回「年収の壁」に対する意識調査の結果が発表されました。この調査は、2025年度に向けた年収制度の変更に対する反応を理解する一環で実施されたもので、全国の15,185名からの回答を得たものです。調査の背景には、今般の税制改正により年収の壁が引き上げられることに伴う期待と懸念があります。

年収の壁の変遷

これまで日本では「103万円の壁」と呼ばれる年収基準が広く知られていました。これは、年収が103万円を超えると所得税が課税されるため多くのパートやアルバイトの人々がこの金額に収入を調整していたことを指します。しかし、2025年度の税制改正では、この基準が178万円に引き上げられることが合意されました。

調査の目的と意義

シェアフルは、この変更が多様な働き方にどのような影響を与えるのかを探るため、本調査を実施しました。調査結果は、働き方や収入を調整している多くの人々にとって重要な指標となります。調査は、男女問わず10代から70代までの幅広い層が対象となっています。

調査結果の概観

2025年調査では、年収の壁を意識していると回答した人は全体の40%と、前年よりも意識していないと答えた60%に比べて減少傾向が見られました。この結果は、制度変更の影響を反映したものと考えられます。

また、就業時間を調整していると回答した人が62%を占めていることから、実際に年収の壁が意識されているものの、その影響に対する認識は薄れていることが伺えます。

経済的なゆとりの実態

「経済的なゆとりはありますか？」という質問に対して、全体の61.5%が「ゆとりがない」と回答しました。特にアルバイトやパートの人々でこの割合が高く、彼らは「経済的なゆとりがない」と感じていることが確認されました。調査対象別に見ると、学生が最もゆとりがあるとの回答がありましたが、アルバイトやパートといった非正規雇用では厳しい状況が続いているようです。

年収の壁引き上げに対する意識

「年収の壁が178万円へ引き上げられることについて、どう感じますか？」という問いには、肯定的な回答が35.9%、関心なし・中立的な意見が47.4%という結果でした。このことから、多くの人々が制度の変更に対しての関心が薄いことが示されています。このような状況は、年収の壁引き上げの情報伝達や教育が必要であることを示唆しています。