口腔トラブルと若者
2024-11-22 14:14:11

10代から30代の約半数が口腔トラブルでパフォーマンス低下を実感

口腔トラブルとプレゼンティーズムの深刻な実態



公益社団法人日本歯科医師会が実施した「歯科医療に関する一般生活者意識調査」によると、近年、口腔トラブルが若者に与える影響が浮き彫りになっています。この調査は、15歳から79歳の男女1万人を対象に行われ、特に10代から30代において、口腔トラブルが日常生活に与える影響が顕著であることが示されました。

プレゼンティーズムとは?


この調査では、仕事や家事、学業において、歯や口の問題が原因でパフォーマンスが低下している状況を「プレゼンティーズム」と定義しています。全国的に見て、日本の約4割の人々が、過去1年間に口腔トラブルによって生活の質が低下したと実感していますが、特に10代と20代ではその割合が高く、約半数がこの問題を抱えていると答えています。

口腔トラブルの影響


調査結果によると、口腔トラブルは「集中力」「生活全般の質」「コミュニケーション・会話」「人付き合い」に影響を与え、対人関係への不安を招いていることもわかりました。特に10代と20代の若者において、コミュニケーションの質が低下することへの懸念が目立ちます。これは、自己表現が重要視される年齢層において特に深刻な問題です。

若者が抱えるトラブルの詳細


具体的に、パフォーマンス低下を感じている若者たちが報告する口腔トラブルには「歯の痛み」「歯に違和感を感じる」「口臭」が挙げられます。特に口臭に関しては、実に25.5%の人々が1年以上にわたってパフォーマンス低下が続いていると答えています。これによって、対人関係においても悪影響が及び、社会でのコミュニケーションを妨げる要因となっています。

受診状況とその理由


面白いのは、口腔トラブルを抱えながらも、専門の医療機関を受診する人が少ないことです。例えば、歯の痛みを感じた場合、約6割が医療機関を受診しますが、口臭やドライマウスに対処する人はそれぞれ約1割にとどまります。多くの人々が口腔トラブルを「やり過ごす」選択をしていることが、問題を長引かせている一因と考えられます。

社会的な stigma


また、調査では、口腔トラブルによるパフォーマンス低下の原因を周囲に話しにくいと感じている人が39.7%にのぼることも明らかになりました。特に男性や若年層においてこの傾向が強いようです。周囲からの指摘を恐れるあまり、自己解決を試みるケースが多く、より深刻な問題に発展することもあります。

健康意識の必要性


このような状況を踏まえ、若い世代には歯科医療に対する理解を深め、必要性を感じてもらうことが重要です。口腔トラブルによるコミュニケーションや生活の質の低下は、個人にとっても社会全体にとっても大きな問題です。定期的な歯科検診やトラブルが発生した際の早期の受診を推奨することが求められます。社会全体でこの問題に対する認知を高め、若い世代がより健康な生活を送るための環境整備が急務です。

会社情報

会社名
日本歯科医師会
住所
電話番号

トピックス(ライフスタイル)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。