デジタル庁が取り組むマイナンバーの情報連携実態調査の全貌
マイナンバー情報連携実態調査の目的と背景
日本におけるデジタル社会の実現を目指すデジタル庁は、会計検査院の報告を受け、マイナンバーの情報連携実態調査を行うことを決定しました。この調査は、地方公共団体がマイナンバーを効果的に活用する際の課題を明らかにし、適切な対応策を示すために行われます。また、各自治体における好事例の収集と共有も重要な目的として掲げられています。
マイナンバー制度は、国民の利便性向上と行政の効率化を図るための重要なインフラです。情報連携が進むことで、さまざまな行政手続において添付書類の省略が可能となり、より公平で公正な社会の実現が期待されています。
調査の背景と問題点
2024年5月15日、会計検査院は「マイナンバー制度における地方公共団体による情報照会の実施状況について」という報告書を公表しました。その中では、一部の地方公共団体や事務手続きにおける情報照会の利用状況が低いことが指摘され、関係府省庁に対して、デジタル庁と連携した問題解決のための助言が求められました。これを受け、デジタル庁は調査を実施し、実態を把握することに努めました。
調査対象と方法
デジタル庁が行った調査では、会計検査院が選定したマイナンバー利用事務の中から、特に情報照会件数の観点から以下の9つの事務が調査対象となりました:
1. 地方税等の賦課徴収に関する事務
2. 保険給付の支給または保険料の徴収に関する事務
3. 児童扶養手当の支給に関する事務
4. 児童手当の支給に関する事務
5. 介護保険給付の支給に関する事務
6. 感染症に係る費用の負担または療養費の支給に関する事務
7. 自立支援給付の支給に関する事務
8. 子育て支援事業の実施に関する事務
9. 難病に係る特定医療費の支給に関する事務
調査は2024年9月からオンライン形式で実施され、地方公共団体がマイナンバーを利用した情報連携を行う上での課題を把握しました。
調査結果と今後の展望
実施された調査によって、地方公共団体が情報提供ネットワークサービスを活用するための具体的な課題が明らかとなり、それに対する対応策も提示されました。さらに、情報連携を効果的に取り入れている地方公共団体の成功事例を収集し、それを報告書として公開することにより、他の自治体が参考にできるよう取り組んでいます。
この実態調査を通じて、マイナンバー制度の浸透が期待され、より効率的で利便性の高い行政サービスの提供が進むことが望まれます。デジタル庁としても引き続き、現場の声を反映した施策の推進に力を入れていく方針です。