鎌倉のアートギャラリーで開かれる市川森一の個展「逃避考」
2024年9月14日から29日まで、鎌倉のアートギャラリーHUG FOR_.にて、市川森一による個展「逃避考」が開催されます。この展示では、日常生活に埋もれた物の新たな側面を発見し、見る者に思考を促す作品が揃います。
市川は東京を拠点に活動している写真家で、本展では彼の代表的なシリーズである「Accumulated Times」「Idle Reverie」「Vortex of Light」「Garbage Patch」を紹介します。作品は、普段見過ごしている物たちがどのように新たな意味を持ち得るのか、観る者に問いかける内容になっています。また、個展に合わせて写真集「Dis/ Association Game」も発売され、その中の作品も展示される予定です。
プレビュー作品展示
個展の開催に先駆けて、9月4日から11日までの期間には、市川の代表作「Mistaken Connections」など過去の作品を一堂に展示するプレビュー展も実施されます。この展示は市川の作品を総覧する機会となり、これまでの進化を感じることができる貴重な内容となっています。特に9月7日と8日には「yakai」と称して18時から22時までの間、ワインやドリンクが楽しめる特別なイベントも行われるため、アート鑑賞と共に心地よい時間を過ごすことができます。
市川森一のアートスタイル
市川のアートは、非常にユニークです。彼は、日常的なアイテムに対する私たちの認識を一旦キャンセルし、異なる視点から再構築することに挑んでいます。「ハンガーは衣服をかけるためのもの」という既存の定義を覆し、様々な可能性を模索することで、身近な物の新たな役回りを探ります。
例えば、ハンガーは孫の手やシャボン玉の輪っか、さらにはモビールとしても機能するかもしれません。このように市川は、物事の定義をひねり、見る者に考えを巡らせる装置を提供しています。彼が制作することへの抵抗感や、作品から見える新たな視点は、私たちの思考を刺激し、濃厚なアート体験を演出します。
展示される作品たち
本展では、都市生活の中で飼われる物たちを、日常では考えられない角度から見なければならない新たな視覚体験が待っています。市川にとって、アートは自己の逃避先を作り出す手段であり、そのような思考は全ての作品に根付いています。観客は彼の持つ世界観を分かち合い、無限の解釈の余地がある作品たちと自らの関係性を築くことができるのです。
市川の作品には、造形的な可能性や美しさが詰まっており、観る者に独自の感覚を与えるでしょう。彼の作品がどのような形で展開され、どのように日常的なアイテムや風景が変化を遂げていくのか、ぜひその世界を体感してみてください。
アーティストプロフィール
市川森一(Shinichi Ichikawa)は1985年福岡県に生まれ、東京藝術大学音楽学部を卒業後、写真芸術専門学校にて写真を学びました。広告制作会社を経て2015年に独立し、幅広い表現方法でアートを追求し続けています。
開催概要
- - 会期: 2024年9月14日(土) - 29日(日)
- - 開廊時間: 11:30-18:00(無休)
- - プレビュー: 2024年9月4日(水) - 11日(水)
「逃避考」の展示に関する詳細や情報は、ギャラリーの公式ウェブサイトで確認できます。アートに触れる秋のひとときを、鎌倉でお楽しみください。