Cellidが開発した新型マイクロプロジェクターの実力
次世代技術のひとつ、ARグラス。最近、Cellid株式会社がそのグラス用に非常に広い視野角FOV60°を実現するマイクロプロジェクターの開発に成功したと発表しました。この技術は、AR映像のさらなる高精細さと没入感を提供する重要なステップとなります。
ARグラス市場の現状
ARグラス市場は現在、まだ初期段階にありますが、実用的な情報を提供するツールとしての可能性が高まっています。例えば、天気予報や翻訳、生成AIとの連携など、多様なユースケースが考えられます。これらの役割には狭い視野角でも良好な結果が得られるため、小型レーザータイプのデバイスが流行っています。しかし、目が向く先は次世代の高解像度3D映像やインタラクティブな体験が求められるようになると見込まれています。
Cellidの革新技術
Cellidが開発したこのマイクロプロジェクターは、多くの技術的課題を克服して実現されました。特に注目すべきは、FOV60°という広視野角を持ちつつ、コンパクトサイズで高光効率を実現している点です。これにより、ARグラスのユーザー体験が大幅に向上し場所を選ばずに使用できる利点があります。
Cellidはかつて、世界初のFOV60°に適応するウェイブガイドレンズを開発し、今回のマイクロプロジェクターはその技術を発展させた結果です。このプロジェクターは、構造的に非常に敏感であり、細部にまで気を配った取り組みが成功に繋がりました。特に光学の整合性、アライメント技術を駆使し、非常に安定した表示を可能にしています。これが小さなフレームにもフィットする形状に収まっています。
プロジェクターの特徴
このマイクロプロジェクターは、Φ5.8mmという小型サイズを実現し、施された軽量化によりわずか0.3gという驚きの軽さも兼ね備えています。また、FOV60°の投影が可能で、2025年にはFOV70°への進化も計画されています。Cellidの設計した独自のバレル構造によって、最適な入射角でウェイブガイドに対応し、光学性能の向上も期待されています。
今後の展望
Cellidが今後目指すのは、さらに光学性能と製造安定性の向上です。2025年までにFOV50°から70°の製品ラインナップを強化し、量産体制の確立を図る予定です。また、最近発表したソフトウェア補正技術を融合させることで、AR体験がより向上することが期待されです。
CEOの言葉
CellidのCEOである白神賢氏は「この技術の開発は、ARグラスが活用される未来に向けた重要なマイルストーンであると考えています。私たちが持つ光学技術と設計スキルを組み合わせることで、以前は難しかった要素を同時に実現しました。これはただの技術革新に留まらず、ARグラスに対するユーザーの体験を一新するものと確信しています。」とコメントしています。
Cellidとは?
Cellid株式会社は、ARグラス用のディスプレイや空間認識エンジンを開発する企業で、最先端の光学技術を駆使してARグラスのリアルな表示を実現しています。日常生活に密着した情報ツールとして、ARグラスの実用化をさらに進めていくことを目指しています。