高槻市立樫田小学校の田植え体験
令和7年5月12日、私は高槻市北部に位置する市立樫田小学校を訪れました。この日は、全校児童51人が一堂に会し、毎年恒例の田植え体験に挑戦する日でした。樫田地区は標高約350メートルの位置にあり、気温が低いため、毎年この地域は他の平野部を一足早く田植えを行う文化が根付いています。
この小学校は自然に恵まれた環境と小規模校の特性を生かし、児童たちが健康で心豊かに成長できることを目指しています。樫田地域の豊かな自然、歴史、文化を学びの中に取り入れる『特認校』制度も平成15年から導入されています。こうした制度のもと、校区外からの入学や転入が認められているため、多様な児童が集まります。
田植えに使われるのは、近隣にある約4アールの学習田です。この日は全校児童が年齢を超えて協力し合い、楽しいひとときを過ごしました。水を張った田んぼに入る児童たちの目は期待に満ち溢れ、農家の方々からの指導を受けながら作業を始めました。
「苗を鉛筆のように持って、根っこが土の中に入るようにしっかりと植えてください」と先生が指示を出します。まずは上級生が模範として、少し手慣れた様子でキヌヒカリの苗を植えていきます。一方で、初めて田植えに挑む1年生たちはなかなか上手くいかず、泥だらけになりながら悪戦苦闘の様子でした。しかし、上級生の手助けを受けるうちに、彼らはすぐに上達し、徐々に自信を持ち始める様子が見られました。
「水は少し冷たいけれど、気持ちいい!」という声も聞こえ、皆が汗を流しながら楽しい時間を共有していました。友達との協力や、土に触れながらの作業を通じて、子どもたちの絆が深まる瞬間でもありました。
この体験はただの田植えにとどまらず、今後育っていく苗の成長を観察し、夏の田んぼでの作業を経て、秋には全員での収穫作業が控えています。このような体験を通して、児童たちは自然の大切さ、食の源を実感しながら成長していくことでしょう。
樫田小学校の田植え体験は、子どもたちにとって単なる作業ではなく、地域とのつながりを感じ、自分たちが育てたものへの愛着を持つ大切な教育の一環だと言えるでしょう。これからも樫田小学校の活動に注目し、応援していきたいと思いました。