ボーイングの悲劇
2024-11-28 15:18:39

ボーイングの悲劇から探るアメリカ型資本主義の真実とは?

ボーイングの悲劇から探るアメリカ型資本主義の真実とは?



ノンフィクション作品『ボーイング 強欲の代償――連続墜落事故の闇を追う』が、株式会社新潮社から12月18日に発売される。この書籍の著者、江渕崇氏は朝日新聞経済部の記者であり、彼の活動は広範囲にわたる。特に2018年と2019年に、ボーイングの最新鋭旅客機「737MAX」がインドネシアとエチオピアで立て続けに墜落し、346人の命が失われた事件は、彼の取材へと繋がった。

著者はニューヨーク特派員として活動していた時にこの事故を取材し、2022年に朝日新聞で発表した集中連載は多くの反響を呼び起こした。このたびの本書では、6年にわたり行った徹底した調査報道を基にしており、アメリカ型資本主義の深い矛盾を浮き彫りにしている。

本書の目玉の内容



誰が責任を負うのか?



「346人の命を奪った『真犯人』は誰か?」と題した章では、墜落の背後にある企業の体質が詳しく描かれる。事故が起こると、その原因として新技術の存在が同社によって隠されていた事実が明らかになった。アメリカを代表する企業がどうして誤った道を選んだのか、著者はその真相に迫る。株価重視の経営が企業の本質をどのように変えてしまったのか、その実態が浮かび上がる。

アメリカ型資本主義の変質



ボーイングの歴史を振り返ると、1997年に行われたマクドネル・ダグラス社との合併が一つの転機であったとされる。合併後、経営陣が生産現場より株価を優先する方針に切り替えた結果、ボーイングは本来のモノづくりの精神を失ってしまった。この変化の背後には、経済学者ミルトン・フリードマンの株主資本主義の理論が影響を及ぼしていると著者は指摘する。

日本経済の未来を考える



さらに、本書では「失われた30年」における日本の経済の方向性も問う。2024年に日経平均株価がバブル後の最高値を更新する一方で、日本は株主利益を重視する「株の国」へと舵を切っている。この流れが日本経済にどのような影響を及ぼすのか、識者たちへのインタビューを通じて、今後の道を読み解いていく。

書籍の概要



本書の構成は10章から成り立っており、それぞれがボーイング社の歴史、墜落事故の詳細、さらにはアメリカ経済と日本経済における今後の展望に至るまで、広範囲な内容を扱っている。

  • - 著者: 江渕崇(えぶち・たかし)
  • - 判型: 四六判(320ページ)
  • - 定価: 2,420円(税込)
  • - 発売日: 2024年12月18日
  • - ISBN: 978-4-10-355981-8

『ボーイング 強欲の代償』は、問題提起の多い一冊であり、アメリカ型資本主義の闇を探るとともに、日本の未来を見据える重要な作品となっている。読者であるあなたにとっても、考える機会を与えてくれるだろう。


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会社情報

会社名
株式会社新潮社
住所
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220

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