国産3Dプリンタ『G-ZERO MP1』が先行販売開始、PEEK対応で高精度化を実現

国産3Dプリンタ『G-ZERO MP1』が登場

株式会社グーテンベルクは、革新をもたらす新型3Dプリンタ『G-ZERO MP1』の先行販売ニーズに応えるため、2025年9月に公式に市場に投入することを発表しました。この新機種は、これまでの常識を覆す性能を持つ国産超高速産業用3Dプリンタとして、特にスーパーエンジニアリングプラスチックであるPEEKに対応しています。航空宇宙や医療といった高度な分野で利用されるPEEKの造形に特化したこのデバイスは、既存の3Dプリンティング技術の限界を超えるものです。

『G-ZERO MP1』の特長

G-ZERO MP1は、高温環境での造形に最適化されています。最高450℃のノズル温度を実現し、高速で高精度な造形を可能にしました。この性能により、製造時間の短縮と精密度の向上の両方が実現され、業務用部品の生産において大きな強みとなります。また、積層ピッチは0.05〜0.2mmで、従来の3Dプリンタでは難しかったPEEK部品を高精細に出力することができます。

構造設計は高剛性で、長時間の稼働でも安定した造形品質を保つよう設計されています。500Wの低消費電力を実現し、オフィスや工場の現場に容易に設置可能なコンパクトな筐体は、精度と耐久性を両立。加えて、簡単に交換できるツールヘッド構造を採用し、保守性も向上しました。

新型の除湿ドライボックスが標準装備されており、PEEKなどの高機能材料の吸湿を防ぎ、高品質な造形を実現します。これにより、複数回の使用でも安定した出力を確保し、品質の再現性を支える大きな要素となっています。

グーテンベルクと大塚化学の連携

G-ZERO MP1の開発には、大塚化学との協力が大きな役割を果たしています。大塚化学の新素材『POTICON FILAMENT』を用いることで、高機能材料の3Dプリンティングが実現し、優れた剛性、耐熱性、耐薬品性を兼ね備えた材料が生まれました。

特に、POTICON PEEKの特性は、従来のPEEKの造形難易度を克服し、強度の向上と反りの抑制を実現しています。今回の開発により、複数の製造プロセスを統合して高品質で安定した造形が可能になります。

『G-ZERO MP1』の展示

G-ZERO MP1は、次世代3Dプリンタ展で初めてお披露目されます。そこではPOTICON PEEKを使用した実演造形も行われ、業界関係者からの注目が集まることでしょう。この新たなテクノロジーは、産業界の多くの課題を解決するための一助となる可能性を秘めています。

社会課題の解決を目指す

グーテンベルクは、3Dプリンタを使って低炭素化やサプライチェーンの課題解決に向けて挑戦しています。様々な産業ニーズに応えるための材料展開に取り組む大塚化学との連携により、強度向上と品質保証のさらなる発展を目指しています。両社の連携は、今後の製造業における3Dプリント技術の新たな可能性を引き出します。