近年、ラジオの聴取スタイルが大きく変わってきています。特に、地上波ラジオ放送の利用状況について、マイボイスコムが実施した最新のインターネット調査が注目されています。調査は2025年5月1日から7日にかけて行われ、11,848名の回答をもとにラジオ放送の聴取状況や受信方法、聴取場面について明らかにしました。
ラジオ番組の受信方法
調査によると、ラジオを聞いている人は約56%で、その中でも特に男性や高年代層のリスナーが多いことがわかります。特に50代から70代の男性では約60%に達していますが、逆に10代から30代の女性ではラジオを聴いたことがないという人の割合が高く、これは今後のリスナー獲得に向けての課題とも考えられます。
受信方法については、地上波ラジオを「ラジオチューナーで受信」する人が37.9%、インターネット経由での受信は21.3%となっています。これは、特に若い世代がネットを通じてラジオを聴く傾向が強まっていることを示しています。
地上波ラジオの聴取状況
地上波ラジオ放送の聴取状況においては、81.3%がリアルタイムでの聴取を行い、放送後にタイムフリーや聞き逃し機能を利用する人は24.7%であり、過去の調査と比較して増加の傾向が見られます。特にインターネット経由でラジオを聴く層では、この数字が約60%に達し、年代ごとの聴取方法の差が徐々に広がっている印象を受けます。
ラジオの受信機器
ラジオ放送を受信するデバイスとしては、やはりカーステレオやカーナビが40.1%を占め、次いでスマートフォンが27.3%となっています。特にスマートフォンはデジタル化の影響を受け、若年層では過去の調査と比べてその割合が増加しており、デバイスの変化が聴取スタイルに影響を与えていることが窺えます。
聴取シーンに関するデータ
ラジオが聴かれるシーンについては、「トークを聞く」が48.1%と最も多く、次いで「音楽を聴く」と「ニュース・天気予報」をそれぞれ約4割の人々が楽しんでいることがわかります。特に男女での差も見られ、家事をしながら聴く女性の割合が高いことが示されています。このように、聴取の場面が多様化していることが、ラジオの魅力を引き出す新たな要因となっています。
今後のラジオ利用について
最後に、今後どのような方法でラジオを受信したいと考えているかを尋ねると、「ラジオチューナーで受信」と回答した人が40.3%、インターネット経由が24.8%と続きました。しかし、「ラジオは聞きたいと思わない」という意見も25.8%に達し、特に若い世代ではこの割合が高くなっています。この調査結果は、ラジオ業界が新たなリスナー獲得に向けた戦略を見直す必要があることを示唆しています。
結論
この調査から、地上波ラジオ放送に対する利用意識や聴取スタイルが確実に変化していることが浮き彫りになりました。特に若年層の聴取率が低いことは、今後のラジオの普及に対して深刻な課題であり、各放送局は新たなコンテンツや配信方法を模索していく必要があるでしょう。このトレンドを乗り越え、ラジオの魅力を再発見することが求められています。