ギブリーが発表した「DECA MarketingAgent」とは
株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手高志)は、マーケティング業務に特化したAIエージェント構築プラットフォーム「DECA MarketingAgent(デカ マーケティングエージェント)」を新たにリリースしました。このプラットフォームは、企業が保有する1st Party Dataをもとに仮想顧客「Virtual Customer(バーチャルカスタマー)」を生成し、AIエージェントがその顧客像に基づいて施策の企画から実行までを支援するものです。
このサービスの目玉は、もちろん仮想顧客概念の導入にあります。中川政七商店との共同検証を通じて、1st Party Dataを活用したVirtual Customerを元にした施策が、実施テストにおいて既存の施策を上回る成果を上げたことが明らかになりました。これにより、企業はROIや人材の制約によるパーソナライズ施策の実行が難しいという問題を克服し、一貫した顧客体験を提供する可能性が広がります。
仮想顧客を用いたマーケティングの新時代
実際のマーケティングは顧客の理解に基づくべきですが、継続的なデータ収集や分析が必須であり、これには多大な労力を要します。顧客の行動や関心は日々変化しており、企業は常に変わる市場に即応するための柔軟さが求められています。しかし、マーケティング施策はしばしばコストや運用負荷から断念されているのが実情です。DECA MarketingAgentは、こうした課題に立ち向かい、企業のデータをもとに即応可能なVirtual Customerを生成し、その特性を活かした施策の実行を支援します。
「DECA MarketingAgent」の機能と利点
「DECA MarketingAgent」は、企業特有のデータを基に最適な仮想顧客を生成します。この仮想顧客の情報は、過去の会員情報やWeb行動データなどを統合して作成され、どのような特性を持つ顧客へ対する施策が効果的かを分析します。これにより、企業はコストを抑えながらも、より高精度なマーケティング施策を展開することができます。
また、マーケティングオートメーション(MA)やCRMツールとの連携が可能であるため、現行のシステムを活用しつつ新たなAIプラットフォームを導入することができます。そして、実行した施策の結果がフィードバックとしてVirtual Customerに反映されることで、施策の精度が継続的に高まっていく仕組みも整備されています。
中川政七商店との共同検証
ギブリーは2024年11月に中川政七商店と共同で「DECA MarketingAgent」の検証プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、同社のCRMデータを使用してVirtual Customerを生成し、AIエージェントがその顧客視点からメルマガ施策を行うエージェントを構築しました。
結果、開封率やクリック率において既存施策を超える成果が見られ、AIが提供する洞察を基にしてブランドのトーンやマナーを調整することで、より良い顧客体験が実現できることが確認されました。
今後の展望と進化
ギブリーは今後、Virtual Customerの精度向上を目指し、様々なデータソースとの連携を進めるとともに、AIエージェントが連携可能なチャネルを増やしていく予定です。これにより、より多様なマーケティング施策を行い、顧客接点での一貫したブランド体験を提供することも狙っています。
DECA MarketingAgentは、企業にとっての新しいマーケティングの基盤であり、今後もアップデートを重ねていくことで、継続的な価値提供の実現を目指します。マスマーケティングからパーソナライズドな顧客体験の時代へ、ギブリーの新たな取り組みは、業界にインパクトを与えることでしょう。