インフォマートと東京大学の共同研究
概要
デジタル時代において、データはまさに「21世紀の石油」と称されるように、企業や自治体の競争力を高める重要な資源とされています。その中で、株式会社インフォマートは東京大学大学院工学系研究科の早矢仕研究室とAIを用いた共同研究を開始しました。このプロジェクトは、業務効率の向上を目指し、データの価値を引き出しながら社会全体に貢献することを目的としています。
研究の背景
近年、IoT技術の進化により、膨大な量のビッグデータが生成されています。このようなデータは、個人情報保護法や官民データ活用推進基本法の影響で、適正かつ効率的な利用の重要性が増しています。しかし、現在、民間企業間でのデータの共有や連携は十分とは言えません。自社データの囲い込みから、部分的な共有・流通にシフトすることで新たな価値創出が期待されています。
このような情勢の中、インフォマートは東京大学の高度なAI研究技術と自社が保有する豊富なデータを組み合わせ、共同研究を立ち上げました。
共同研究の内容
本研究では、インフォマートが所有するデータと外部データを掛け合わせ、新たなデータ価値を見出していきます。具体的には、企業間取引の構造をAIを用いて分析し、異分野間データの連携技術を開発することで、産学連携を促進することを目指します。
具体的なアプローチ
- - データ統合: 特定の業界内の企業を分析し、関係性を明らかにすることで、個々の企業がどのように互いに影響し合っているかを理解します。
- - AI解析: 大量のデータをAIで分析し、その隠れた構造を発見し、業務の最適化を図ります。
研究者のコメント
東京大学早矢仕研究室 講師 早矢仕 晃章氏: 「インフォマート様との共同研究は非常に光栄であり、データ連携とその価値創出がイノベーションの鍵となることを実感しています。特に異分野データの連携技術の開発には期待しています。」
インフォマート取締役 木村 慎氏: 「東京大学との協力を通じて、新しいデータエコシステムの創出に貢献したいと思っています。これにより、企業や自治体が活用できるようなデータを生み出していきます。」
早矢仕研究室の研究背景
東京大学の早矢仕研究室は「人とデータを巡る営み」をテーマに、分野を超えたデータ活用の研究に取り組んでいます。様々なデータと人間、計算機、環境がいかに相互に作用しあうかを探求し、新たなデータ流通のパラダイムを形成するための技術開発を行っています。
インフォマートについて
インフォマートは1998年に設立され、企業間取引の効率化を目的としたクラウドサービスを提供しています。主力サービスである「BtoBプラットフォーム」は、110万社以上に利用されており、年間44兆円以上の総流通金額を誇ります。これにより、企業や自治体の生産性向上に寄与し続けています。
この共同研究によって、データの価値を再発見し、今後の社会の発展を先導する可能性が広がることが期待されています。