微生物でSDGs達成
2023-05-31 10:00:03
名古屋大学発のベンチャーが微生物でSDGs達成を目指す新技術を発表
名古屋大学発ベンチャーの挑戦
名古屋大学を母体に設立された株式会社フレンドマイクローブは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、微生物技術を活用した排水処理システム「MiBiocon®-FW」の普及を進めるべく、第三者割当増資で2億3000万円の資金調達を完了しました。この資金をもとに、同社はさらなる研究開発と技術の向上を図り、環境に優しい社会の実現を目指します。
技術の概要と特徴
「MiBiocon®-FW」は、生産現場から排出される廃水に含まれる油脂を効率的に分解する技術です。今まで物理的な処理で対応していた油脂汚れを、名古屋大学が長年の研究を経て開発した高性能な油脂分解微生物群が分解することで、再利用が難しい産業廃棄物を減少させることが可能です。この画期的な技術により、大手食品会社が導入し、悪臭の軽減や廃棄物処理コストの削減といった成果を上げています。
未来への展望
今後、フレンドマイクローブは排水に対する油脂分解だけでなく、グリストラップや生ごみ処理機向けの技術開発も進める予定です。また、動植物油以外に鉱物油の分解技術も開発中で、2年後の実用化を目指しています。この技術により、環境負荷の低減や、産業界全体におけるESG経営の推進が期待されています。
賞の受賞歴
この新技術は数々の賞も受賞しており、2022年にはCNBベンチャー大賞の中部経済産業局長賞を受賞。さらに、みらい創造機構賞や愛知環境賞名古屋市長賞など、多くの評価を得ています。これらの受賞結果は、同社の技術が市場で認められ、信頼されている証とも言えます。
パートナー企業の評価
出資先企業として名を連ねる株式会社ジェネシア・ベンチャーズの河合将文氏は、フレンドマイクローブが持つ微生物技術に大きな期待を寄せており、今後の展開に注目しています。豊田合成や住友商事といった企業も、廃棄物処理における環境低負荷の実現に向けた取り組みとして、フレンドマイクローブとコラボレーションを進める意向を示しています。
代表の想い
代表取締役社長の蟹江純一氏は、名古屋大学での微生物研究を基にして企業を設立しました。「微生物は身近な存在であり、彼らの力を借りることで環境課題に取り組むことが可能です」と語り、微生物の新たな可能性を探求していく意義を強調します。研究開発においても、常に新しい技術やアイデアを発掘し続けていると述べており、持続可能な未来に向けた熱意が感じられます。
会社の理念
フレンドマイクローブは、「微生物を友だちに」という理念を掲げ、微生物やその酵素を用いた技術の実用化を目指しています。持続可能な社会の実現に寄与し、今後もさまざまな地域や業界でその技術が広がっていくことが期待されています。新しい取り組みを通じて、環境保全と経済発展の両立を図るフレンドマイクローブの今後に、注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社フレンドマイクローブ
- 住所
- 愛知県名古屋市千種区千種2-22-8NALIC 104
- 電話番号
-
052-753-8208