背景と目的
日本が抱える海洋プラスチックごみの問題。これに立ち向かうべく、キユーピー株式会社と味の素株式会社は共同で「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」に参加しています。彼らの新たな取り組みとして、使用済みのマヨネーズボトルを回収する実証実験がスタートしました。この実験は、より良い資源循環型社会の実現を目指しています。
実施状況
実験は2024年7月1日から始まり、イトーヨーカドー溝ノ口店で実施されています。家庭で使用したマヨネーズボトルを、店頭の特設リサイクルステーションで回収。回収されたボトルの状態や量を確認し、実際に再資源化が可能であるかどうかを調査しています。この取り組みは、2025年6月30日まで続く予定です。
回収の成果
回収実験が始まってからの進捗は驚くべきものでした。回収されたマヨネーズボトルの約90%が対象製品であり、その他は同材質のタルタルソースやケチャップのボトルでした。特に、綺麗に洗われたボトルの割合が99%以上に達するなど、高い回収率を達成しています。さらに、初月と比べ、2025年4月の実績では回収本数が約2.6倍に増加しました。
得られた知見
実験から多くの知見が得られました。まず、マヨネーズボトル型の回収ボックスが設置されたことで、消費者に「マヨネーズだから特別にリサイクルする」との意識が強くなったと考えられています。また、消費者の「マヨネーズは洗っても落ちない」という心理的障壁も明らかになりました。今後はこのハードルを下げるための啓発活動が必要です。
今後の展開
この実証実験は、イトーヨーカドー溝ノ口店だけでなく、イトーヨーカドー川崎店とヨークマート川崎野川店にも拡大する予定です。2025年7月から2026年6月までの期間に、さらに多くの消費者にアプローチできるよう啓発活動も強化されます。このように、キユーピーと味の素は、資源循環に向けた技術評価を進めることに加え、地域への理解と協力を促進していきます。
地域社会への影響
地域住民との対話を重視し、様々な啓発イベントを通じて取り組みの重要性を伝えています。例えば、市内の高等学校との連携授業を行い、若い世代に対する環境教育も推進しています。これにより、持続可能な社会を作るための意識を根付かせることを目指しています。
最後に
キユーピーと味の素のこの取り組みは、海洋プラスチック問題に立ち向かうための第一歩です。地域社会とともに、未来の持続可能な社会を築くための努力は続いていくでしょう。私たちは、このような貴重な活動を応援し、環境への配慮が行き渡る社会づくりに一緒に参加することが重要です。