博報堂ＤＹグループがAIを活用した新市場調査ソリューションを設立

博報堂ＤＹグループが設立した新市場調査ソリューション

2024年11月11日、株式会社博報堂ＤＹホールディングスの傘下にある特別目的子会社Ventures of Creativity（VoC社）が新たに「Diwa AI Pte. Ltd.」を立ち上げました。この新会社は、AI技術を活用して市場調査の実施と分析を効率化し、企業の意思決定をより迅速にサポートすることを目指しています。

市場調査は新商品の開発やサービスの向上に欠かせないプロセスであり、定量調査と定性調査という二つの手法があります。定量調査は広範囲にわたるデータを集め、数値的な分析を可能にする一方、定性調査はグループインタビュー等を通じて深い洞察を得るための方法です。しかし、多くの企業は、調査を行うためのコストと時間がネックとなり、両者の分析を統合することに苦労しています。

Diwa AIはこの課題を解決するために、定量調査と定性調査を一つのプロセスに統合しました。その結果、企業はインタビューの実施から分析、さらには結果の提示までを迅速に進めることが可能になります。特に、AIを活用して大規模な定量インタビューを自動的に実施し、貴重な構造化データを収集することができます。そしてこのデータに基づく深掘り質問を通して、AIが定性的な示唆を導くことができるのです。

得られたデータはリアルタイムで分析され、企業は即時に総合的なレポーティングを受け取ることができます。このように、Diwa AIのソリューションはデータ駆動の意思決定を支援し、より効率的かつ効果的な市場調査を可能にします。

2023年度の博報堂ＤＹグループのグローバル社内ベンチャープログラム「Ventures of Creativity」において、Diwa AIは初年度のビジネスコンテストで選ばれたビジネスプランです。特に起案者のエンゾ・ヴィラブローサ氏はフィリピンに拠点を置く博報堂ＤＹグループの子会社IDEASXMACHINA出身で、他のパートナーとともにVoC社の支援のもと、この新会社を設立しました。サービスはアセアン地域と日本にまたがって展開されており、VoC社は今年度中に38万米ドルのシード投資を実施し、Diwa AIの成長をサポートする方針です。