大田区がスタートアップ向け実証実験事業を開始
東京都大田区は、地域社会の課題解決を目指す新しい取り組みとして、スタートアップ企業に向けた『大田区実証実験・実装促進事業(HOIP)』の第二期の募集を5月1日より開始しました。応募締め切りは6月2日までです。この事業は、大田区とスタートアップが協力して、地域のニーズに応じた解決策を創出することを目的としています。
HOIPの概要と目的
HOIPは、大田区が掲げる「WakuWaku the World」という理念のもと、地域内でのイノベーションを促進し、社会課題に立ち向かうスタートアップを支援する事業です。第一期では、実際の行政現場を舞台に多様な成果が生まれ、多くの参加企業がその価値を実感しました。
第二期では、従来の自由提案型だけでなく、行政機関が特定の課題を提示し、それに対する解決策を求める『指定提案枠』を新たに設けました。これにより、より実践的かつ効果的な社会実装を目指すことができます。
大田区の背景
大田区は、日本有数の製造業拠点であり、特に中小企業が数多く集まっています。しかし、経営者の高齢化や後継者不足といった課題に直面しています。また、子育て世帯の区外流出や、環境問題に対する取り組みも重要な課題です。このような背景から、区はSDGs未来都市に選定され、持続可能な社会実現に向けた取り組みを進めています。
募集する提案の種類
今回の募集では、以下の2つの提案枠があります:
1.
自由提案型枠:スタートアップが独自の技術やサービスを利用し、大田区の地域課題への解決策を自由に提案するための枠です。実証の可能性がある提案を歓迎します。
2.
指定提案枠:大田区が提示する具体的な地域課題に対し、スタートアップの技術やサービスを用いて解決策を提案します。これにより、具体的な成果を目指す実効性の高い実証実験が期待されます。
具体的な地域課題としては、DXによる問い合わせ対応の効率化や、技能継承の促進、企業のカーボンニュートラル推進などが挙げられます。特に注目されるのは、地域経済の活性化を狙った新たな誘客方法や、老朽設備のリスク低減策の提案です。
支援内容
事業に採択されると、最大100万円の支援金が提供され、区内での実証実験を進めるための伴走支援が行われます。実証実験は、採択後から令和8年2月末までの期間内に実施され、その成果は令和8年3月上旬の成果発表イベントで発表される予定です。
今後のスケジュール
- - 企画提案書受付開始:令和7年5月1日
- - 企画提案書受付締切:令和7年6月2日
- - 一次審査結果通知:令和7年7月下旬〜8月上旬予定
- - 二次審査(面接審査):令和7年8月8日午前中予定
- - 採択結果通知:令和7年8月中旬予定
- - キックオフイベント:令和7年10下旬予定
- - 成果発表イベント:令和8年3月上旬予定
この取り組みを通じて、大田区は地域課題解決とともに、市民の生活の質を向上させることを目指しています。今後も多様な主体が集まるオープンイノベーションの推進を通じて、持続可能な社会の実現に向けて進んでいくことを期待しています。