電通が示す消費者の欲望の変化
株式会社電通は、消費に対する欲望を可視化した「欲望未来指数」の最新版を発表しました。この指数は、消費者の「欲しい・したい」という気持ちを数値化したもので、昨今の物価上昇や国際情勢の不安定さを背景に、消費意欲が減少していることが明らかになりました。
消費意欲の変化
「欲望未来指数」は、2021年5月から行われている「心が動く消費調査」に基づいています。その結果、2026年5月の「欲望未来指数」は234.0となり、前回から16.0ポイント減少し、前年同月比では19.9ポイント減少しました。これにより、消費者の欲望が低下傾向にあることが示されており、特に物価や景気の影響が強く出ていることが考えられます。
欲望の種類とその変化
「欲望未来指数」には、「11の欲望」が含まれています。これらは消費者の行動を駆り立てる感情を反映したものです。最近の調査では、自由と健康への欲望が共に大きな減少を見せ、特に「無理のない自由への欲望」と「心身平常運転の欲望」がそれぞれ40ポイント以上の減少を記録しました。これらの欲望はコロナ禍以降も高い水準で推移していたため、今回の減少は大きな意味を持ちます。
一方で、自己投資に対する欲望が増加している傾向も見逃せません。「腕を磨いたから、腕試し欲望」は前回比で18ポイント増、また「他人という鏡に映した欲望」も5ポイント増加しています。このように、消費者は以前に比べ、スキルアップや成長に対して興味を持ちつつあることが示されています。
消費者行動の新たな方向性
消費者は今、「自由でいたい」「健康でいたい」といった基本的な欲望から移りつつあり、探求や承認に関する欲望が高まっています。特に、日常の基盤を整えることに加えて、自分の感性を表現したり、コミュニティの中で交流を楽しむ方向へと消費が変わりつつあると言えます。シール収集などのトレンドは、ただ物を集めるだけではなく、自己表現や社会的つながりを意識した行動として捉えることができます。
企業への展望
電通とその関連会社は、消費者の変化する欲望を研究し、マーケティング活動に生かすためのウェビナーを開催します。これにより、消費者が求めるものが何か、またそれが今後どのように変化していくのかを読み解く機会を提供します。
今後も、消費者の欲望を理解する視点から、企業のマーケティング活動の効率化や高度化に寄与することが期待されます。社会の変化に応じた消費者意識を捉え、マーケティング活動に活かしていくことが重要です。