AI活用マーケターの業務効率化と市場価値向上
デジタル分析プラットフォームのAmplitudeが行った「AI活用実態調査」の結果が発表され、国内のマーケターの60%が業務効率化を実現し、55%が自身の市場価値が向上すると考えていることが分かりました。調査は500名のマーケターを対象に実施され、AIツールの使用状況とその影響を比較分析しました。
調査の概要
調査では、AIツールを「週に1回以上利用する」250名と「利用しない」250名のマーケターの業務実態を比較しました。その結果、AI活用者は業務時間の短縮や業務評価において非活用者と明確な差があり、AIツールがマーケティング業務において不可欠な存在になりつつあることが浮き彫りになりました。
業務時間の短縮と業務評価
AI活用者の56.8%が、1年前と比べ業務量を処理する時間が短縮されたと回答しました。これは非活用者の25.6%の約2倍に相当します。また、AI活用者の多くは自身の業務に対して「効率的」と「生産的」と評価しており、「内容や成果に満足」と答えた割合も非活用者を上回っています。
- - 効率的: 48.8%
- - 生産的: 50.4%
- - 内容に満足: 50.0%
- - 成果に満足: 50.8%
AIに対する意識の変化
AI活用者の72%がAIは業務に必要と考えており、非活用者の28.8%に対しその認識に大きな差があります。また、AI活用者の44.4%はAIを「業務遂行の強力なパートナー」と認識しており、一方で非活用者の11.2%にとどまりました。これにより、成長を求めるマーケターにとってAIの活用は避けて通れない存在であることが示されています。
市場価値への期待の高まり
AI活用者の55.2%は、AIツールの普及により自身の市場価値や収入が向上すると見込んでいます。これは非活用者の21.2%と比較して約2.6倍という結果です。また、AIを使用できないマーケターの将来的な市場価値も懸念され、多くの人がAIツールを戦略的な資産として捉えています。
業務効率化の実感
具体的な業務においては、AI活用者の最大41.6%が週に1~3時間程度の業務時間短縮を実感しています。さらに、31.6%はチーム全体のパフォーマンス向上を実感しており、36.4%がリサーチ業務で、34.0%がデータ分析業務にAIを利用しています。これに対し、デジタルコンテンツの制作でも33.6%がAIを取り入れています。
安全性や倫理的課題
一方で、AIツールに全幅の信頼を寄せているマーケターは少なく、AI活用者では9.6%、非活用者でも2.4%です。監視体制の必要性を感じる意見が多く、情報漏洩やセキュリティのリスクが最大の懸念材料とされています。
最後に
マーケターはAIツールを利用することで、生産性や業務の質を大きく向上させています。今後も安心してAIを導入できる環境作りが求められるとともに、全てのマーケターがデータとAIの力で業務に取り組めるよう、支援が必要です。AIはもはや選択肢ではなく、必須の業務パートナーとして認識されつつあるのです。